ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014ることなく、彼らの活動、彼らの勇気、そして人道原則と価値への献身的取り組みを讃えます。私はあなた方の会長として、赤十字・赤新月社運動の推進力であるボランティアを尊重すること、その貢献を認識し、その活動を促進すること、そして、中立で公平な人道的サービスを提供するために前線で活動する彼らに安全なアクセスを保障するようあらゆる関係者に働き掛け、彼らを保護することを確実なものとしなければなりません。より多くの熱心で献身的なボランティアを引き付け、赤十字・赤新月社運動に加わる、または参加し続ける意欲を後押しできるかどうかは、私たちにかかっています。ますます競争が激化している人道支援分野にあって、赤十字がもつ特異な性質を明確に伝え、適切で、魅力的で、原則に基づいた活動とサービスを提供することができて初めて、それが可能になるのです。皆様、シリアで紛争が勃発して以来、世界中のメディアはその危機に大きな関心を寄せており、私が連盟会長として赴く先々でメディアから受ける最初の、そして多くの場合において唯一となる質問は、例外なく、赤十字・赤新月社が同地でどのような活動を行っているかということです。彼らは、運動体の各構成組織の異なる役割や義務に関する詳細な説明に関心はなく、私は赤十字・赤新月運動全体を代表して質問に応じることを求められます。それゆえ、シリアにおける赤十字・赤新月運動全体としての活動を対外的に説明できる「CommonNarrative(赤十字活動の全体像の報告)」がついに作成されたことは、非常に価値ある前進だと思います。これは、この重要で困難な任務において、「我々は何者か(who we are)」、そして「我々は何をするのか(what we do)」を一つの運動体として実証する画期的な出来事であったと確信しています。この画期的出来事を足場として、連盟およびその他の赤十字・赤新月運動パートナーは今、関連する他の任務についても「赤十字活動の全体像の報告」を作成する道筋を共に思い描いていく必要があります。これは、赤十字・赤新月運動のすべての構成団体が同じ場所で、同時に、協力して活動を行ってきたケースが他にもあるためです。互いに信頼し、協調しながら、私たちは一丸となって常に弱者に代わり外の世界に発言し続けなければなりません。協調性や、赤十字・赤新月運動全体としての報告体制については、まだまだ改善の必要性があり、私はこれについてICRCのマウラー総裁と話し合いを行ってきました。総裁と私は、3つの領域で協力体制を強化することで同意しています。3つの領域とは、救援活動、各国赤十字・赤新月社の清廉性(integrity)の問題への対応、各国赤十字・赤新月社の組織強化です。互いに協力していく上で、連盟の地位と役割が守られ、発展していくべきであることは言うまでもありません。近年、連盟は「赤十字・赤新月災害救護の原則と規則」の改正に取り組んでおり、運動体内部の協力・調整のあり方だけでなく、複雑な緊急事態によって進化している現実や、赤十字・赤新月運動以外の組織との協力についても反映させるよう努めています。協議の過程において、数多くの赤十字・赤新月社が、改訂版の「原則と規則」では、ICRCを含む運動体の幅広い協調のあり方について言及すべきとの要望を表明しました。現在、改訂プロセスでは2つの手順が進んでいます。その1つは、自然災害と、各国赤十字・赤新月社間および各社と連盟との間の調整に重点を置いた改訂版「原則と規則」を本総会において採択すること。これと並208人道研究ジャーナルVol. 3, 2014