ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014ことに疑う余地はありませんが、私は、より調整された支援に向けた共通戦略を考える必要があると感じています。各社の組織強化の枠組みが、いくつかのワークショップで考察するために総会に提案されています。この枠組みは、国際的な資源動員よりも国内での資源動員が最も重要であるということを、各社に対してあらためて強調するものです。この総会での審議は、私たちの相互支援の形について再考し、これを適切に改善する機会となります。多くの社は、連盟事務局を介さない二国間支援が主流となりつつある傾向を懸念しています。私は、二国間支援により達成された成果であっても、情報がしかるべく事務局に伝わり、外部への広報活動に活用され、資金調達の機会を増やすとともに、労力と資源の重複回避に役立つことを期待しています。組織強化は、何よりもまず各社それぞれの責任ではありますが、同時に連盟の共同責任でもあります。各社は組織強化について、連盟から支援を受けることができたときに初めて連盟加盟社であることの付加価値を実感することができるのです。メンバー社のプロフィールを蓄積し、各社間での知識共有と学習を促進し、情報テクノロジーを利用できるようにするなど、OCAC以外にも各社の組織基盤を強化するイニシアティブが存在します。これらのイニシアティブではいずれも大きな成果が上がっており、事務総長とそのチームは、この点についてさらに詳細なフィードバックを伝えてくれるはずです。連盟にとってもう1つの課題は、各社の清廉性を確保することです。「コンプライアンス・調停委員会」の報告書でご確認いただけるように、過去2年間に、23の社で清廉性に関する問題が報告されています。すべてのケースが進行中というわけではなく、5つのケースはすでに解決され、3つは現在検討中という状況です。第一に、清廉性の問題に対応してそれを解決するのは、該当社の責任です。場合によっては、選ばれた各社のリーダーが招集され、周囲から圧力をかけます。また、必要かつ適切であれば、ICRCが助言を求められ、招聘されます。連盟の支援が必要な場合には、「コンプライアンス・調停委員会(Compliance and MediationCommittee)」や「監査・リスク委員会(Audit and Risk Committee)」などの手段が用意されています。「コンプライアンス・調停委員会」は、清廉性違反の可能性がある場合、これを解決するために適切な措置をとるよう組織から委任されますが、機密保護の性質上、その任務に関する情報は理事会に伝えられてきませんでした。そこで私は、ガバナンスが一致協力してそれぞれのケースで取り得る最善のアプローチを探ることができるように、事務局から受け取った清廉性に関する情報を会長および副会長に伝達するよう要請しています。ますます高まるメンバー各社からの期待に応えるべく、連盟のガバナンスとそのマネジメントは、業務のあり方を改善していく必要もあります。理事会は2010年に、「理事会優先事項監督作業部会(Board Priority Oversight Working Group)」を設立しました。外部コンサルタント会社の協力を得てガバナンスのレビューが実施され、その結果は2013年5月の理事会で発表されました。そこでわかったことの1つは、理事会はその意思決定において、必ずしも各社の利益と懸案事項を代表し、210人道研究ジャーナルVol. 3, 2014