ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014これを反映しているわけではないということです。さらに、ガバナンスとマネジメントの間の役割と責任の分離を再考するよう、理事会に促すものもありました。なかには連盟の憲章改正を要するものもあり、理事会では、今後いかにこれを進めていくかを検討しているところです。理事会開催は年に2回のみのため、理事会全体の良好なチームワークを築く基盤として、私は副会長との緊密なコミュニケーションに重点を置いています。2013年3月には、会長と副会長の臨時会議を東京で開催し、新しい事務総長を選ぶプロセスや、ICRCと連盟間のよりよい調整など、重要な案件を迅速に進めました。私は、会長の役割とは、ガバナンスとマネジメントの間の信頼関係を築き、維持するかけ橋となることにあると強く信じています。ガバナンスとマネジメントの間で時に緊張関係が生まれることは自然であり、連盟も例外ではありません。しかし、相互に尊重と理解の姿勢を持ち、ガバナンスとマナジメント幹部の間でそれぞれの見解や情報を明確に、定期的に、率直に交換することによって、こうした緊張関係にも対応し、解決できるものと確信しています。皆様、2011年に開催された前回の総会で、事務総長が、事務局の地域分権化(Decentraligation)のモデルのレビューを実施すると明言したことをご記憶のことと思います。このレビュー業務は国際的知名度の高いコンサルティング会社に委託され、今年はじめにその結果と推奨事項が提出されました。そこには、内外双方の関係者によって、分権化が異なる方法で定義・認識されているとの指摘がありました。このレビューでは、サービス提供を改善することのできる数多くの方法が明らかにされている一方、各社の組織強化のためには、連盟全体としてより多くの資源が必要であることも示されています。これまでに述べてきたレビューとイニシアティブの結果として、新しい理事会は、退任する旧理事会の蓄積してきたすぐれた教訓と経験を活かし、これから数年にわたって何を優先的に取り組むか、新たに築いていく必要があります。皆様、連盟は救援活動だけでなく、開発にも取り組んでいく義務を今後ますます負うことになります。2010年のハイチ地震以降、「Build Back Better(被災前よりもよい社会に)」が私たちの決意を強調するスローガンとなり、被災国が将来の災害により適切に備えることを目指しています。そのために、私たちは各緊急アピールの資金の一定の割合分を、災害リスク緩和およびコミュニティーの災害等からの回復力(レジリエンス)強化に配分しています。会長を務めた4年の間に、私は多くの被災国が事業を実施している現場を訪問し、各社それぞれの努力を目の当たりにしてきました。そして、連盟は災害リスク緩和とレジリエンスへの投資をさらに拡大する必要があることを、はっきりと認識しました。そのための方法の1つは、現在10パーセントを充当している緊急アピールから開発分野への配分を増やすことです。また、すべての事業において、救援と開発両方を含む二本立てのアプローチを系統的に適用することにより、個人とコミュニティーのレジリエンスを強化する必要があります。人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 211