ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014一方、2013年3月末現在でFDRSの重要なパフォーマンス指標のデータをひとつ以上提供した社の割合は、64パーセントに達し、2013年の目標である60パーセントを超えた。全体で120社がFDRSにデータを提供した。「赤十字・赤新月の災害救援活動の原則および規則」の見直し作業は、2007年に理事会で決まったプロセスに則って進められた。理事会は、改訂された「赤十字・赤新月の人道支援活動の原則および規則」を総会に提出して採択することを承認した。この「原則および規則」は、災害時や緊急時に各国赤十字・赤新月社およびその事務局の間で国際的な人道支援を調整するための安定した基礎を提供するものである。(詳細は災害・危機管理審議会の報告書、項目4.5 i ? AG/4.5/1を参照)この「原則および規則」の協議プロセスでは、2012年に開催したそれぞれの協議会合に各国赤十字・赤新月社118社の代表が計250人以上参加した。協議日程は2013年まで延長され、更に細かいフィードバックや協議が行われた。2013年初めには、「原則および規則」改訂版が、各地域の会議や人道支援会議でも議題に上り、フォローアップ協議が行われた。また、2012年12月と2013年5月に発表された2つの草案に対し、各国赤十字・赤新月社37社から2013年7月までに56通の書面によるコメントが寄せられた。これらのコメントの中で各社は、詳細な提案を行ったり、特定の条項のさらに詳しい説明を求めたりした。受け取った具体的なコメントは1,000件以上に達し、これらは組織の利益を最大化する最適のバランスを見出すため、慎重に検討された。水と衛生については、Oxfam GBおよびWASTEとの協力に基づいて連盟が主導する2年間の衛生研究開発プロジェクトへの海外災害援助局(OFDA)からの資金提供を確保している。このプロジェクトは、特に都市部で緊急時の衛生設備を改善する現実的な成果を目指している。この財源は、Global WASH Clusterの戦略的な思考・資金調達に関連するものである。またザンビアとジンバブエでは、過去の「世界の水と衛生に関するイニシアティブ(Global Water & Sanitation Initiative)」プロジェクトの現場を再訪し、インフラの性能を分析するだけでなくプロジェクト終了後の持続性と影響を促進する「評価ミッション」と「振り返り調査」を開始した。マラリアについては、携帯電話を使用した迅速な調査が普及し、管理情報システムの財源も確保されたため、赤十字・赤新月社のボランティアは、自らの携帯電話を使用してSMSでデータを送信できるようになった。結核については、事務局はイーライリリー多剤耐性結核パートナーシップ(Lilly MDR TB Partnership)からの資金提供が予定されている多剤耐性結核プロジェクトのもとでの評価・研究の実施構想をまとめた。また地域密着型の保健・救急システム、非感染性疾患、予防モデルとしてのHIV/エイズ治療については、評価・研究計画が作成された。さらに緊急時の保健についても、シエラレオネでのコレラ対策の影響を精査し、その結果をもとに評価・研究計画を策定した。これは長期的な地域密着型の保健・救急プログラムとコレラの大流行との因果関係を研究するためのものである。2012年、事務局の保健チームは、世界HIV同盟(GlobalAlliance on HIV)の評価作業を実施した。心理社会的支援センター(Psychosocial Support Centre)では、危機対応時に危機管理スタッフやボランティア、受益者を支援する包括的なウェブベースのシステムを開発するため、EUの財政支援を受けた3年間の人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 215