ブックタイトル人道ジャーナル第3号

ページ
220/288

このページは 人道ジャーナル第3号 の電子ブックに掲載されている220ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014頻度の高まる緊急アピールの課題と傾向について各年の「概要」を比較するため、次の表を作成した。これは我々の主要な災害管理事業のひとつについて、それぞれ4年間(2010~2013年)の1月から6月末までの数値データを比較するものである。年度(6月末現在)アピールの回数予算総額(単位100万スイスフラン)*受益者の合計人数2010 13 339.1 4,557,5542011 8 67.7 1,717,4572012 13 38.3 1,095,8122013 8 16.2 393,392*初回のアピールと修正アピール、複数年のアピールでは、事例ごとの調整が多少必要となる。たとえば2010年のハイチ地震への対応では、当初1億500万スイスフランの予算が計上されたが、やがて2億7,490万スイスフランの当座予算を計上する5年間の複数年アピールに発展した。近年の大災害の多くは、高所得国の大規模災害と位置づけることができる。たとえばクライストチャーチ(ニュージーランド)の地震、オーストラリアの山火事と洪水、日本の東日本大震災・津波・原子力災害、南北アメリカのハリケーン・サンディ被害などがこれに当たる。連盟は、これらの災害のすべてに対し、国際援助とこれまでに培った現地対応能力の双方を利用して支援してきた。連盟は、赤十字・赤新月運動のパートナーの強力な支援を受け、3人の緊急対応責任者(Head ofEmergency Operations)を予備要員として任命した。彼らは、緊急時に世界規模で即時配置され、最大3ヵ月間にわたり連盟主導の活動で戦略的リーダーシップを発揮する。彼らはコーチングやメンタリングの能力を高め、次世代の赤十字・赤新月運動のリーダーを支援する。また連盟は、人道環境の変化と災害件数の世界的増加に対処するため、世界規模および各地域規模で災害対応ツールの維持と強化、適用に努めている。具体的には、都市の災害・危機環境において、また多数の人道団体を調整する必要のある高度に複雑な緊急事態において、さらに高所得国の大規模災害においてこれらのツールを活用できるようにする。フィールド調査・調整チーム(FACT)およびチーム・リーダーの訓練カリキュラムを大きく変更し、情報管理とチーム管理のスキルをこれまでより重視した。また災害後/危機後の復興、緊急時の資金の利用、家計の安定確保などに向けたグローバル対応ツールの技術基盤も強化した。各地域の災害対応ツールのシステムについても、将来の新たな活動能力を確保するため必要な投資として再活性化した。緊急時の資金:2013年初めに復興ガイダンスが発表され、事務局とゾーン事務所に配布された。連盟は、英国赤十字社およびキャッシュ・ラーニング・パートナーシップ(Cash Learning Partnership)、欧州委員会人道援助局(ECHO)との協力関係をさらに2年間更新し、合計200万スイスフラン超とした。これは緊急時218人道研究ジャーナルVol. 3, 2014