ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014の送金において連盟がリーダーシップを発揮することをECHOが評価したためである。このプロジェクトは、救援や初期復興のニーズに応じて物品や資金を柔軟に組み合わせて配布する能力を育成するためのものである。各国赤十字・赤新月社のスタッフを世界食糧安全保障クラスター(Global Food Security Cluster)や栄養クラスター(Nutrition Cluster)、およびマリでの食糧安全保障クラスターの研修やジュネーブでの世界規模の栄養研修、ローマやナイロビ、バンコク、ダカールで開催された多様なワークショップに積極的に参加させた結果、その能力が強化された。また、各社が研修のためのワークショップを主催できるよう支援することでも能力が強化されている。事務局の移住ユニットでは、連盟の学習部門との緊密な協力により、連盟の移住活動に関する多彩なオンライン学習ツールや認証制度、および移住政策を開発している。2013年3月には、移住の人道的側面を扱う政策枠組みに関する新たな双方向型教育ガイド(Interactive Educational Guide)が利用可能となった。このガイドは、移住者の法的地位に関わらず、移住者のニーズや脆弱性への対応を調整・強化するための指針を赤十字・赤新月運動に提供するためのものである。事務局は、(国連などの)各パートナーとより緊密に連携し、人道活動におけるリーダーシップや関係機関同士のニーズ評価、迅速な対応メカニズムを発展させるため、今後も機関間常設委員会(IASC)の「人道支援体制の改革(Transformative Agenda)」のもとでさまざまな事業を支援する。食糧・栄養や生活基盤を安定させるプログラムを拡大し、今後10年間で8ヵ国1億人の人々に支援の手を伸ばすため、コンセプトペーパーを作成している。現在は、各ゾーン事務所や外部パートナー(IFPRIやFAO)からのフィードバックをもとにコンセプトペーパーを完成させるための協議が続いている。連盟は、都市型災害への懸念の高まりに応え、この地域の各国赤十字・赤新月社の能力を強化するため、2013年5月、イラン赤新月社の支援を得て「都市災害リスクの削減と管理パートナーシップ(Partnership onUrban Disaster Risk Reduction and Management)」を開始した。連盟は、これによって都市災害リスクの軽減と管理における共通の取り組みのための、現実的ガイドラインを作成する予定である。5つの都市を選択して全市レベルの試験的研究を行い、都市環境における既存の災害リスク削減・管理ツールを検証し、改善する。「2020年に向けての戦略」の一環として事務局は、気候変動への適応とその緩和を組み合わせた二本立てのアプローチを実施している。連盟は、2013~2016年に気候変動に取り組むとした意欲的な5ヵ年行動計画を立案し、これに着手した。これは、極端な気候から弱者コミュニティを守るための植林・育林、環境価値の市民への啓蒙、早期警戒情報の提供と災害対策といった現在の赤十字・赤新月の環境関連事業に基づくものとなる。事務局の救急医療や給水・衛生を担当するチームは、技術支援を通して、また各コレラ流行地域(チャド湖周辺地域、西コンゴ盆地、タンガニーカ湖、シエラレオネ、アフリカの角)、黄熱病流行地域(セネガル、ガーナ、ブルキナファソ、カメルーン、スーダン)、ポリオ流行地域(カメルーン、ケニア)、エボラ出血熱流行地域(ウガンダ)への主要スタッフの派遣を通して災害や危機に見舞われたコミュニティを継続的に支援した。またシリア難民危機には、連盟は並々ならぬ努力をもって対応した。人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 219