ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014世界規模で資源動員の改善努力が続いている分野は、「緊急アピールの発表プロセスの改善と連盟全体に向けたアピールへの移行ニーズ」、「緊急時の資金調達法の改善とタイムリーな調達」、「緊急時の資源動員に関する各国赤十字・赤新月社の能力開発」、「知られざる災害に対する資金募集の強化」、「大規模災害や高所得国災害における資源動員のガイドライン設定」、「複雑な災害における赤十字国際委員会との活動調整の改善」、「緊急時の資源動員調整や動員ニーズの高まりに対する事務局の役割強化」、「緊急時の資金調達に関する詳細な研究分析の必要性」などである。2012年、事務局(国・地域・ゾーン・本部の各レベル)を介した使途限定資金、および国際資源動員チームによる同資金としてネットワーク全体で集められた合計額は、2億4,000万スイスフラン以上に上った。うち1億スイスフランは緊急アピールに、残りの1億4,100万フランは開発プログラムに振り分けられた。連盟全体の資源動員戦略(FWRMS:Federation-Wide Resource Mobilization Strategy)の導入一年目は、さまざまな分野で活動の機運を盛り上げる機会となった。各国赤十字・赤新月社と政府および国際機関とのより緊密な協力関係構築のため、必要な複数のステップが踏まれた。世界的な課題に関するハイレベルの戦略的・政策的対話を促進する場として、またパートナーシップ強化の場として、新たにドナー・アドバイザリー・グループを設立した。連盟は、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM:Global Fund for AIDS, TB and Malaria)などの国際機関から戦略的パートナーとしてますます重要視される存在となっている。GFATMとの関係では、ニジェールにおいて結核関連の助成金2,500万ユーロの資金受入責任機関となった。またケニア赤十字社は、3,500万米ドルのHIV助成金のおもな受け入れ機関として活動している。民間企業の関与も増え、チューリッヒ・インシュアランスとは総額2,100万スイスフランに上る5年間のパートナーシップ協定を新たに締結した。FedNetでは、4種類の収入源(英国赤十字社による個人募金部門、スイス赤十字社による法人部門、オーストラリア赤十字社による国内政府機関部門、ルーマニア赤十字社によるEU加盟国部門)に応じてFedNet実践共同体(Communities of Practice)が設立された。各国赤十字・赤新月社は、世界中の弱者コミュニティを支援する組織的な財務力を高めるため、連盟全体の資源動員戦略にこれまで以上に積極的に関与するよう奨励されている。事業分野5:共同作業と説明責任による連帯の伝統維持デジタルデバイド・プログラムでは、調査を実施して各国赤十字・赤新月社129社の情報通信技術(ICT:Information and Communications Technology)能力を評価し、客観的基準と進捗度の目安となるICTの能力指標を導き出した。プログラムの目的は、各社のニーズに応じたICT能力の整備、および人道目的に役立つ技術の継続的な開発を実現する世界規模のサービスの確立や各社同士が技術面で協力・提携できる環境作りである。2012年5月、このプログラムはサウジ赤新月社から100万米ドルの指導助成金を受けた。これは英国政府や日本赤十字社からの資金とあわせてこのプログラムの発展に大きく寄与した。2012年末現在、2011年のパイロット・プログラムから支援していた各国赤十字・赤新月社17社に加え、新たに15社がこのプログラムを226人道研究ジャーナルVol. 3, 2014