ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014は以下の点に重点が置かれている。i)「原則および規則」文書は赤十字・赤新月運動の公式文書となりうるのか、それともICRCとの協議により作成された連盟文書にとどまるのか、ii)文書の「適用分野」もしくは範囲を拡大して、災害・危機・紛争のあらゆる状況を含むようにすべきか。協議では、多くの赤十字・赤新月社が改訂版「原則および規則」の範囲にあらゆる活動背景(災害、危機、紛争)が含まれ、赤十字・赤新月運動の文書として作成されるよう期待しているということが強調された。2012年12月に各国赤十字・赤新月社と共有された最初の草案文書には、あらゆる状況における人道支援への赤十字・赤新月運動のアプローチが反映されていた。ICRCは、提案された範囲に合意しない旨を事務局に通知した。あらゆる状況における国際援助活動の協調に向けて赤十字・赤新月運動全体の枠組みを改訂するより広範なニーズについて、ICRCと連盟両者の上層部(シニアマネジメント)チーム間で話し合いがもたれた結果、「原則および規則」の範囲を災害に限定する(紛争やその他の暴力的状況を除く)という提案がなされた。連盟会長および副会長は、2013年3月に東京で開催された会合で同文書の範囲について検討し、このアプローチを承認した。会長は2013年5月の会合で理事会に通知した。「原則および規則」はこれまで通り、災害と危機に焦点を絞った連盟の文書にとどまることとなる。一部の赤十字・赤新月社は、改訂版「原則および規則」の範囲に武力紛争やその他の暴力的状況が含まれないことについて遺憾の意を表明している。しかしあらゆる状況(災害、危機、紛争)における赤十字・赤新月運動の協調と協力の枠組みを策定するための新たなプロセスが始まっており、2013年の国際赤十字・赤新月運動代表者会議で提起されることになっている。この方針の課題理事会は2013年5月の会合で、DCMABが今後も総合的災害管理方針の策定に関して事務局を監督するよう要請した。DCMABは新たな連盟方針枠組みのもと、広範かつ包括的な赤十字・赤新月社の協議プロセスが方針策定または主要文書改訂のための重要手段であり、優良慣行であると考えている。さまざまな形態の協議を組み合わせることで、最良の結果が得られるとともに方針に対する主体性が増し、採択後の実施の見込みも高くなる。災害・危機管理の今後の傾向/課題に関する調査、分析、協議連盟の活動、傾向、課題についての考察の中で、DCMABは連盟が人道支援分野におけるマーケットシェアを失う危険性について懸念を表明した。DCMABは、信頼性のある人道支援の提供に必要な資源と現場でのプレゼンスを確保するため、現在の業務モデルと災害・危機管理活動の資金調達方法について検討するよう事務局長に提言する。事務局は、災害・危機管理においてどの分野が中核となるのかということ、ならびに常に妥当性を維持した状態であるために今後も活動調整者としての役割を担い続けなければならないということを認識した持続可能なビジネスモデルを必要としている。DCMABは、事務局と連盟を通じた人道支援資金調達のマーケットシェアについて内部的分析および外部機関との比較による分析を行うよう推奨する。災害・危機管理に関する今後の傾向と課題の分析については、付属文書2を参照。人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 233