ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014ればならない。奉仕(Voluntary Service)赤十字・赤新月は、利益を求めない奉仕的救護組織である。単一(Unity)いかなる国にもただ一つの赤十字社・赤新月社しかありえない。赤十字社・赤新月社は、すべての人に門戸を開き、その国の全領土にわたって人道的事業を行わなければならない。世界性(Universality)赤十字・赤新月は世界的機構であり、その中においてすべての赤十字社・赤新月社は同等の権利を持ち、相互援助の義務を持つ。旧体制から新体制へ運動戦略の未達事項2009年代表者会議での決定を受けて実施された運動戦略の評価で、次のような指摘がなされた。「能力強化、運動フォーラム、緊急事態への対応、補完的機能、効果的なコミュニケーションといった分野では顕著な進展が見られた。しかし、清廉性問題と民間部門との連携については、さほど目覚ましい成果は得られなかった。また、外部動向と優良な事例については、ほとんど関心が示されなかったまたは対処されなかった。」清廉性の問題と民間部門との連携はいずれも、外部動向と優良な事例同様に国際赤十字・赤新月運動全体で共有されている重要な懸案事項であるが、これらの問題は、運動戦略を超えて外部へ展開される過程ですでに取り組みがなされているか、運動戦略と関係なく十分な取り組みがなされている。運動フォーラムの問題は、常置委員会の作業部会で取り扱われており、国際赤十字・赤新月運動内の協力体制の問題についてはICRC、連盟ならびに各国赤十字・赤新月社間で綿密な協議がおこなわれている。これらの問題については、今後二年間にわたって常置委員会、ICRC、連盟が各国赤十字・赤新月社とともに検討していく。新たな方向性に取り組んでいく体制国際赤十字・赤新月運動は連合体という体制をとっている。その特徴の一つは、組織としての成功にはその運営や体制、規則に由来している部分もあるものの、それと同じくらい、あるいはそれ以上に価値観やプロセスや関係性、つまり、共有する信条、協力や相互関係のスタイルによるところが大きい点である。そうした考えからこの文書では、国際赤十字・赤新月運動構成員同士の協力のあり方と、他者としての外部パートナーとの協働のあり方、という二つの次元での「協力」に注目している。国際赤十字・赤新月運動構成員同士あるいは外部組織との協力のあり方について規範を示すことはしていな262人道研究ジャーナルVol. 3, 2014