ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014さらに、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)と赤十字国際委員会(ICRC)に委ねられ、国際赤十字・赤新月運動規約に明記されている国際舞台での役割と任務、ならびに、ジュネーブ条約に謳われているICRCをはじめとする運動構成員特有の役割を想起し、国際赤十字・赤新月運動の基本原則、ならびに人道分野において公的機関の補助的役割を担う独立人道支援組織としての各国赤十字・赤新月社の独自性に対する一般社会の理解を維持・拡大していく国際赤十字・赤新月運動の取り組みを改めて確認し、一つの運動体としての一体性、効率性ならびに有効性を強化することによって災害・危機・紛争の被害者のニーズを満たす、国際赤十字・赤新月運動全体の活動の妥当性と効果が向上することを願い、さらに、組織の多様性が進む中でも国際赤十字・赤新月運動内部のコミュニケーションを改善することで運動共有のアイデンティティーを保持し、また、外部(被害者、国家機関、武装集団、資金提供者、メディアなどの外部関係者)とのコミュニケーションをより統一性のあるものにできるよう互いに協力することを願い、さらに、全体の利益となるように資源を動員して国際赤十字・赤新月運動全体の信頼を高めるために、運動のもつ能力が一つになって有効に活用されることを願い、「人的被害が確認されれば、場所を問わずそれを防ぎ、軽減する」(国際赤十字・赤新月運動規約前文)という運動全体の目標を達成するためには、運動構成員間の効果的な協力・協調と力の結集が肝要であることを認識し、国際赤十字・赤新月運動戦略およびその改訂と追加報告、セビリア合意およびその追加措置と関連報告、国際赤十字・赤新月運動グッドパートナーシップ行動規範およびその関連報告、外部組織との協働に関する指針とその追加報告など、運動内の協調・協力についてすでになされている数々の必要不可欠な取り組みの意義を認め、国際赤十字・赤新月運動内の調整のさらなる強化を謳うこの構想を高く評価する。よって、以下のとおり決議する。1.今後二年間にわたり国際的な人道支援活動を強化していくための戦略的方向性と指針を示す、連盟とICRCが取りまとめた共同ビジョン・ペーパー(付属書A)を熱く歓迎する。2.国際赤十字・赤新月運動内での調整と協力に関する報告に注目する(付属書B)。3.連盟およびICRCが各国赤十字・赤新月社の代表者(指導部級)からなるリファレンス・グループと協働して、すべての運動構成員が関与すること、また、2013年11月17日の代表者会議の議論の中で提起された意見や問題が十分検討されることを保証するよう求める。4.現在国際赤十字・赤新月運動が抱えている課題や機会に取り組む場に全運動構成員を巻き込み、以下のことに重点をおいて連盟およびICRCが共同で国際赤十字・赤新月運動内の協力体制を継続的に強化していくことを求める。266人道研究ジャーナルVol. 3, 2014