ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014らす脅威に対する深い憂慮を表明し、人口密集地での特定爆発性兵器の使用によって一般市民が直接的・間接的・長期的に被る苦痛に対して絶えざる懸念を改めて表明するとともに、2011年の第31回赤十字・赤新月国際会議に提出された「国際人道法と現代の武力紛争が抱える問題」と題する報告でICRCがこの人道上の問題を分析し、その中で「特定兵器は無差別的な影響を及ぼす可能性が高いにもかかわらず法律による明確な禁止がなされていないため、広範囲の影響力をもつ爆発性兵器の使用を人口密集地では避けるべきである」としたICRCの見解を想起し、遠隔操作・自動化・自律型兵器システム、さらに「サイバー兵器」などの新たな戦争技術の開発・配備がもたらしうる人道上の影響を憂慮するとともに、いかなる新たな兵器、武力手段、戦闘法も国際人道法を順守して用いられなければならず、また、それが可能なものでなければならないことを想起し、法執行に必要な武器として使用される暴動鎮圧剤を除く有毒化学物質の使用について2013年2月にICRCが発表した見解において、化学兵器の開発・使用は人命や健康にとって重大なリスクとなるとともに、化学兵器を禁じる国際法を弱体化させるリスクになるという懸念が表明されていることに留意し、生命科学を敵意のある目的で悪用しないよう政治・軍事・科学の各界に呼びかける、ICRCの2002年バイオテクノロジー・武器・人道に関するアピール、ならびに、2003年の第28回赤十字・赤新月国際会議で採択された人道支援計画の最終目標2.4にある国家による生命科学の悪用防止の誓約を想起し、1.各国政府が、武器貿易条約の調印・批准を速やかにおこなうとともに、同条約に定める規範の順守を保証する厳格な国内管理体制を採用することを求める。2.全国際赤十字・赤新月運動の全構成員が、特に当該兵器に適用される国際人道法の規範の周知、兵器汚染の影響を低減する活動の実施、ならびに兵器被害者への幅広い支援の提供に重点をおいて、地雷・クラスター兵器等の爆発性戦争残存物に関する2009年運動戦略の実行に向けた取り組みをそれぞれの能力に応じて促進することを要請するとともに、2009年代表者会議の決議6に従って、確認および報告の意味で、国際赤十字・赤新月運動構成員がICRCに対して運動戦略の実行に関する情報を提供するよう求める。3.各国赤十字・赤新月社が、2014年にモザンビークのマプトで開催される第3回対人地雷禁止条約再検討会議ならびに2015年の第1回クラスター爆弾禁止条約再検討会議に可能なかぎり参加し、会議開催までの期間を利用して運動戦略の中で関連性のある目標の実現に努めることを奨励する。4.各国政府が、国際人道法の既存のルールを厳格に適用するなどして、爆発性兵器の無差別な使用とその影響からの一般市民の保護を強化するとともに、広範囲に威力の及ぶ爆発性兵器を人口密集地で使用しないよう求める。5.各国政府が、遠隔操作・自動化・自律型兵器システムや「サイバー兵器」などの新たに開発中の戦争技術が及ぼしうる人道上の影響を熟慮し、追加議定書I(第36条)に規定されている義務に従ってそれらの兵器に対して厳格な法的検討を加えるよう求める。6.各国政府が、関連条約の忠実な履行、慣例に従った国際人道法の順守、悪用される可能性のある科学技術の開発の監視、生物化学兵器の再現・使用を防止する活動の実行などによって、生物化学兵器の禁止を保つよう求める。人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 273