ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014決議9国際赤十字・赤新月運動への障がい者包摂の促進代表者会議は、世界中の障がい者が直面する問題の広範性と深刻さを憂慮するとともに、今日何らかの障がいを抱えて生活している人が10億人を超えており、世界人口の約15%に相当することに留意し、障がい者は社会的包摂、完全かつ有効な社会参加、および経済的成長の上でさまざまな障壁に直面することが多く、それが教育を受け就職する機会に悪影響を及ぼし、医療サービスを受ける権利を損ない、貧困の増大につながっていることを強調し、障がいは社会的弱者、特に女性、高齢者および貧困世帯の間により多く見られ、社会的に阻害された人々に過度の影響を及ぼしていることを認識し、2006年に採択され2008年5月に発効した障がい者の権利に関する国連条約、および、障がい者に対する運動の取り組みを表明した第24・25・31回赤十字・赤新月国際会議での決議を想起し、1国・地域・国際レベルで人道外交を推進することによって障がい者のニーズに応えて障がい者の積極的な社会参加や帰属感、社会的包摂を妨げる障壁を取り除くことから、偏見や排斥から多様性と社会的包摂へ一般社会の考え方や行動を転換することまで、その権限・存在・活動をもって障がいの発生を防ぎ、障がい者の完全な社会参加を支援するために国際赤十字・赤新月運動の各構成員が実行できることが数多くあることを確認し、2009年代表者会議の際の、差別撤廃と多様性の尊重に関するワークショップの公式報告で改めて強調されているとおり、国際赤十字・赤新月運動のメンバー、スタッフ、ボランティアの構成は基本原則の一つである「単一」に則って社会の多様な構成を反映したものでなければならないことを踏まえて、国際赤十字・赤新月運動構成員および関連のあるそれぞれの草の根ネットワークが、障がいの発生を防ぎ、障がい者が自ら選択した生活を送れるように支援し、障がい者のために個々の運動構成員がおこなっている活動に協力・貢献できる環境を構築するよう活動することを奨励し、相手に目を向けず耳を傾けないことから往々にして排斥が生まれることに留意するとともに、多様な人々を受容できる社会こそが地域社会の完全かつ同等な構成員として障がい者が生きていくことを可能にすると確信し、1.付属書I「国際赤十字・赤新月運動への障がい者包摂の促進に関する意見書」を採択する。2.あらゆる必要な手段を講じて、特に武力紛争、人道上の緊急事態ならびに自然災害などの危機的状況(ただし、平時も含む)にある障がい者の保護および安全確保に努めるよう運動構成員に要請する。3.障がい者のニーズに対応し、障がい者の権利を支持する上で関連性のある国際法を履行し、差別撤廃に取1赤十字・赤新月国際会議採択の決議を参照(1981年マニラ会議決議XXVII、1986年ジュネーブ会議決議28、2011年ジュネーブ会議決議2)。人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 275