ブックタイトル人道ジャーナル第3号
- ページ
- 278/288
このページは 人道ジャーナル第3号 の電子ブックに掲載されている278ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 人道ジャーナル第3号 の電子ブックに掲載されている278ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
人道ジャーナル第3号
The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014り組み、社会の認識を改め、固定概念や偏見と闘う各国政府の取り組みに適切な人道外交などを通じてすべての運動構成員が協力するよう要請する。4.すべての運動構成員が積極的に関与する協働プロセスの中で、障がい者に関する国際赤十字・赤新月運動全体での戦略を策定し、次回2015年代表者会議での採択に向けてその戦略を提起するよう要請する。付属書I国際赤十字・赤新月運動への障がい者包摂の促進に関する意見書1.適用範囲国際赤十字・赤新月運動の取り組みとその基本原則の根拠は、人としての尊厳を保護するという誓いにある。本意見書の焦点は、社会での機会、サービスへのアクセスならびに社会参加において身体的・精神的障がいを抱える人々が直面するさまざまな障壁に対処していくために、障がい者の社会的包摂に関して運動が掲げるビジョンと行動案を明示することにある。2障がい者の生活の質を改善する運動の取り組みは、以下に挙げる基本理念に要約される。?人としての固有の尊厳、個人の自主性(主体的選択の自由など)および人格の独立の尊重?差別の撤廃?完全かつ効果的な社会参加および社会包摂?違いの尊重と、人の多様性ならびに人道の一環としての障がい者の受容?機会の平等?アクセシビリティー?年齢に関係のない男女平等このビジョンを実現するために、運動は独自のグローバル・ネットワークを利用する他に、外部組織との効果的な協調と協力もおこなっていく。また、障がい者の発生を防ぐとともに、プログラム構想の企画・実行に障がい者を取り込んでいくことにも努める。2.背景障がい者とは、他の人々と同等な立場で完全かつ実質的に社会参加することがさまざまな障壁との関連で阻害されるような、身体、精神、知能あるいは感覚上の機能障がいを有する人々3のことをいう。障がい者に関するワールド・レポート4によると、何らかの障がいを抱えて生活している人は10億人を超えており、これは世界人口の約15%に相当する。世界人口の高齢化ならびに慢性疾患の増加により障がい者数は増加を続けている。一部は生まれながらに社会から疎外されている小児の障がい者は最も弱い立場にあるグループの一つに数えられ、教育を受ける権利が過度に奪われており、施設収容・暴力・虐待・搾取・育児放棄を受けることが少なからずある。52345本意見書には、障がい者権利条約(UNCRPD)に含まれている文言が盛り込まれている。UNCRPDでの障がい者の定義に基づく。障がい者に関するワールド・レポート、世界保健機関/世界銀行、2011年。2013年世界子供白書―障がいのある子どもたち、UNICEF。276人道研究ジャーナルVol. 3, 2014