ブックタイトル人道ジャーナル第3号

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概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014障がい者との協働障がい者は、自身の生活環境や関心、ニーズを理解する上で特殊な状況に置かれている。国際赤十字・赤新月運動は、プログラムの企画や実施に障がい者を参加させることによって、国際赤十字・赤新月運動の取り組みが障がい者の問題にさらに効果的に対応できるようにしていく。そこで、国際赤十字・赤新月運動は次の行動をとる。?障がい者ならびにその代表者組織と密接に連携して問題に取り組むことを目指す?障がい者問題への取り組みの中で、信頼・一体感・自信の構築を目指す。?障がい者を採用して、運動のボランティアやスタッフとして参加してもらう。あらゆる制度とサービスへのアクセスの実現障がい者は、保健・福祉、経済的・社会的安全保障、ならびに技能を習得・開発し地域社会で生活する能力に関する日常的なニーズを抱えている。こうしたニーズは、メインストリームのプログラムやサービスで対応することが可能であり、また、そうすべきである。メインストリーム化は、教育・保健・雇用・社会サービスなど一般市民を想定したあらゆる活動やサービスに障がい者が可能な限り他の人々と同等に参加できるように、すべての利害関係者が保証するプロセスである。メインストリーム化にはあらゆるレベルの関与が求められるとともに、あらゆる部門で配慮がなされ、既存および新規の立法・規範・政策・戦略・計画に組み込まれる必要がある。避難所やWASH 7プログラムにユニバーサル・デザインを採用するのは、障がい者のアクセス・ニーズに応える包摂戦略の一例である。そうした認識に立ち、運動は以下のことを目標とする。?メインストリーム・プログラム、運動が策定・管理するサービス、ならびに運動の施設への障がい者のアクセスを促進する。?障がい者の能力開発、世界規模の構想、および防災プログラム・防災活動を通じて、紛争・災害時および平時に障がい者がメインストリーム・プログラムにアクセスできるようにする取り組みを政府に提言する。障がい者向けプログラム/サービスへのアクセス向上障がい者の中には、メインストリーム・サービスのほかに、自ら選択し価値を置く生活に対する特別な支援策を必要としている人もいる。そうした支援策には、障がい者の役割や自立を向上させる支援サービス、リハビリテーション、助言あるいは訓練がある。人が自立して生活し日常生活の経済・社会・文化の各方面で地域社会に参加することを可能にするケアを求める声は、地域社会の幅広い援助・支援サービスで対応可能である。社会復帰リハビリテーションや職業訓練をおこなえば、障がい者の就職機会も生まれてくる。よって、運動構成員は、必要に応じて以下のことを目標とする。?障がい者向けのプログラムおよびサービスを開発し実施する。?障がい者向けのプログラムおよびサービスを障がい者が利用できることを保証するよう政府に提言する。障がい者包摂政策・プログラムの枠組みに関連する学習および開発の支援開発戦略および行動計画では、常に障がい者包摂が念頭に置かれなければならない。また、関連性のある範囲で、制度としても障がい者を対象とした政策の採用が推奨される。障がい者の福祉向上を目指す総合的かつ広範な長期ビジョンを示す障がい者戦略では、メインストリームの方針・プログラムと障がい者向けサービスの両方が網羅されなければならない。また、障がい者包摂に関する組織化された学習をおこなうことも戦略に盛り込まれなければならない。それを踏まえて、?各運動構成員は、その権限と活動範囲に従って、障がい者包摂に関する方針および計画を開発し具体化す7一般的に、Water(水)、Sanitation(公衆衛生)、Hygiene(健康法)の略語。人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 279