ブックタイトル人道ジャーナル第3号

ページ
81/288

このページは 人道ジャーナル第3号 の電子ブックに掲載されている81ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

人道ジャーナル第3号

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3, 2014コミュニケーションの全般的な戦略というものは、最も強く重要なメッセージを最も効果的に伝えるという作業を共に進めていくための枠組として機能しなければならない。また、地元のメディアの重要性を認識することも大切である。何故なら、広報という分野において我々の地元におけるキャパシティーを向上させてくれるからである。受益者とのコミュニケーションの形態は、そのコミュニティの文化的素地で決まる。よって、従来の手段であろうと先進の技術であろうと、一番良いと思われるコミュニケーションのチャンネルを見定めて組み合わせることが肝心である。いずれの場合においても、「国際赤十字・赤新月運動の良好な提携規範」に則って弱い立場の人々のニーズや優先事項に応えるべく、我々はニーズに対応してこれらの人々の苦しみを軽減・予防できるよう専心しなければならない。そして、コミュニティにおいて最も脆弱な人々のためのプログラムに支援の妥当性を確保し、真の対話に基づいた支援プログラムをコミュニティの全面的な参加をもって行い、パートナー間でのベストプラクティスを実現させなければならない。最後に2013年11月シドニーで開催された国際赤十字・赤新月社連盟の総会で「受益者とのコミュニケーション:連盟の活動およびプログラムにおけるコミュニティのより広範囲でダイナミックな参加の促進」について決議がなされた。決議の内容は次のとおりである。?本決議は、赤十字社が、災害の対処、災害リスクの軽減、予防医学、社会的統合のすべての分野において、受益者とのコミュニケーションを促進していくことを推奨する。それには災害に対する早期警戒、ニーズや災害後の評価も対象に含まれる。?本決議は、コミュニケーション技術の迅速な進歩が、情報の収集や提供、説明責任の遂行、支援対象のコミュニティの活性化に新たなチャンスを与えることを認識する。?本決議は、多くの赤十字社がサービスを拡充し、また脆弱なコミュニティの利益保護のために意見を取り入れようと鋭意努力しているその革新的な方針を歓迎する。?本決議は、各国の赤十字社が、災害の対処、災害リスクの軽減、医療支援、ソーシャル・インクルージョン等での受益者とのコミュニケーションの統合化の経験に関して検討し、試行し、連携を強化し、経験や情報を共有すること、また赤十字社の意思決定プロセスについても同様に行うことを推進する。?本決議は、各国の赤十字社に対し、プログラムの概念づくりや形成の段階からコミュニティの参加を呼びかけ、受益者とのコミュニケーションを通じて災害の防止・救命に必要な情報を提供する公共機関の補助としての役目において、経験主義的な活動の促進強化を行うことを切望する。そして、これらの事項を実施し、コミュニティへの対応および取り組みを向上していくために、日本赤十字社は、多くの経験を共有しうる国際赤十字・赤新月社連盟および各国の赤十字社の全面的なサポートを享受することができるのである。(2013年12月)人道研究ジャーナルVol. 3, 2014 79