ブックタイトル人道センタージャーナル第3号 付録(提言書)

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概要

人道センタージャーナル第3号 付録(提言書)

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3 Annex, 2014提言第1部国際支援受入れの体制づくり1.提言の背景(1)提言の目的・理由?東日本大震災発生のニュースは瞬時に世界中に伝達され、発災直後より人的、物的、金銭的な多数の支援オファーが世界各地から寄せられた。政府及び関係機関は、これらのオファーを可能な限り受入れるべく尽力した。政府の緊急災害対策本部に国際支援受入れを担当するチームが置かれ、被災自治体との調整を行った。外務省は先進国として初めて本格的な国連災害評価調整チーム(UNDACチーム)2の受入れを決定した。各国救助チームの受入れには外務省が連絡要員(リエゾン)を配置し、日本側の救助隊とともに現場での調整を行った。また物資の受入れについても、被災地のニーズに合致することを優先し、市町村との綿密な連絡調整を行った。防衛省・自衛隊は、国内での災害派遣において初めて、米軍および豪軍との協力を経験した。?これらの関係者の努力は高く評価されるべきものである。しかしながら、国際支援は災害における自助、共助、外助のうちの「国際的な外助」にあたるものであることから、被災地の自助・共助を補完する重要な要素として効率的に行われたかという観点からの検証も必要である。被災国政府には、被災地に適切な支援が届くよう、ニーズを的確に把握し、国際社会に向けて能動的な情報発信を行い、支援意思がある国や団体との調整を行うことが求められる。また国際支援が被災地に殺到することによって被災地に混乱や余分な負担をもたらさないような現場での調整も必要である。更に、支援を受ける以上は支援を適切に活用し、結果を国際社会に報告する責任も負う。?国際人道コミュニティは既に被災国と支援側との情報共有や調整のしくみを作り、活用している。日本政府やNGOが海外での災害救援を行う際にも、そのようなしくみに沿って行動している。しかし、東日本大震災においては、このようなしくみが意識されることはあまりなく、海外からのオファーに対しては受動的な対応となり、また受入れ態勢の作り方もアドホックなものとなっていた面が多かったと言わざるを得ない。?災害時の国際支援には外交的な意味合いがあることは否定できないが、支援側の善2 UNDACチームは被災国政府や被災国に常駐する国連事務所によって要請され、被災地の状況把握、国際社会への発信、国際支援の調整などを行うために派遣されるチームで、国連職員と各国からの登録者によって構成される。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人道研究ジャーナルVol. 3付録, 2014 5