ブックタイトル人道センタージャーナル第3号 付録(提言書)

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概要

人道センタージャーナル第3号 付録(提言書)

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3 Annex, 2014輸送やインフラの復旧を通じて極めて大きな役割を果たし、豪軍も空輸で貢献した。他方、イスラエル医療部隊については、「軍の医療部隊」であることの法的地位・意味合いが十分認識・検討されていたかは不明である。?諸外国政府・国民からの寄付金を受ける枠組みやその使途について決定するのに数日を要した4。政府自らが寄付金の受入れ機関となることを決定するのに時間がかかった。また政府は人員、物資、資金全てを受け入れたが、日赤は資金のみ受け入れると発信。そのスタンスの違いについて、海外の人道支援関係者に説得的な説明ができたかは不明。イ.国際支援受入れに関する国内調整という観点から?救助チームについては、支援申し出を受ける窓口(担当:外務省)、被災都道府県と関係省庁(緊急災害対策本部・海外支援受入れ調整班)、地元での受入れ態勢(消防庁・警察庁と被災県・市町村)といった各段階での調整に時間を要した場合があった。?厚生労働省は、発災直後に通達で、外国の医師免許を持つ者による最低限の医療行為が医師法に違反しない可能性を示唆したものの、どの程度の医療行為が具体的に可能なのか不明確であった。また、海外医療チームの受入れの適否は、専ら自治体の意向に基づくとして、積極的な判断を避けた。?物資についても、海外からのオファー受入れ窓口(在外公館・外務省)、都道府県・市町村との調整(緊急災害対策本部・海外支援受入れ調整班)、県と市町村との調整等、調整プロセスが長く、意向確認に時間を要したケースが散見された。また実際に物資が到着するまでに、国際輸送に必然的に伴うタイムラグがあり、その間にニーズが変化してしまうという事象も生じた。ウ.国際支援受入れを円滑に行うためのオペレーション態勢という観点から?救助チームは統一的な受入れ窓口が設置されず、支援を申し出た国との二国間の調整により受入れがなされたため、空港到着から活動場所までの移動が系統立って行われなかった5。現場での活動調整は受入れ自治体及び応援部隊の知識・能力に頼った面が強い。外務省から派遣されたリエゾン(連絡要員)は被災自治体との調整に有効であったが、必ずしも国際救援に関する知見を有しているわけではないことから、国際的ガイドラインを理解する人材の配置という意味では課題が残った。また、捜索フェーズ終了の宣言は出されなかったため、活動終了は各国際チームの判断に4外務省・日本赤十字社との協議の結果、諸外国の政府・民間からの寄付金は、3月14日から、義援金として赤十字ルートで受付を開始した。5国連のガイドラインによれば、空港に受入れ出発センター(Reception and Departure Centre:RDC)を置き、到着チームの登録、現状の説明、国内移動に関する情報提供などを行うこととされている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人道研究ジャーナルVol. 3付録, 2014 7