ブックタイトル人道センタージャーナル第3号 付録(提言書)

ページ
28/66

このページは 人道センタージャーナル第3号 付録(提言書) の電子ブックに掲載されている28ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

人道センタージャーナル第3号 付録(提言書)

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3 Annex, 2014イ.国際支援受入れにおける国の役割の強化?日本政府に対する外国からの支援の申し出に関しては、国の総合災害対応機関(災害対策本部)16が一元的に意思決定をし、迅速・円滑な受入れに責任を持つ体制を整備する。具体的には、政府が受け入れる国際支援17に関しては、ニーズ確認、支援国との調整、人・物資の入国から被災地までの輸送、被災地での活動・配布のモニタリング、支援国への結果報告までの一連の過程すべてについて、被災地自治体ではなく国(前述の総合災害対応機関)が最終的に責任を負う18ということを制度上明確化する。?物資の支援に関しては、各国からのオファーを踏まえて各被災地自治体の受入れの意向を個別に確認するという受動的対応ではなく、政府が被災地の状況・ニーズを包括的に把握して、支援国に求める物資を特定し、支援の意思を持つ国・機関と交渉する。到着物資は政府が一括して受け入れ、都道府県単位の中継地点に保管しつつ、国内支援物資と合わせて被災地に分配する体制を構築する。?国が国際支援の受入れを一元的に行う体制とすることを前提に、必要経費(物資の到着空港から中継基地までの輸送及び一時保管費用)を政府の経費負担で行えるよう、災害救助法の改正を検討する(地方分権の原則に則って定められている現行の災害救助法の枠組みは、国が前面に立つべき海外からの救援物資の受入れに適用することには馴染まない)。?法的改正を待たずに行うべきこととして、東日本大震災の発生時に決定されたような国主導の救助のための予備費の設定にあたっては、海外からの救援物資の輸送に活用することも念頭においたスキームが必要となる。具体的には、年度をまたぐ執行期限の確保(東日本大震災の実績を踏まえると、同規模の災害の場合、発災後少なくとも2?3ヵ月程度は使えるようにする必要があるだろう)や対象地域の限定の撤廃が求められる19。?外国軍の受入れに当たっては国の総合災害対応機関(災害対策本部)が一元的に意思決定をし、受入れ後の活動に関しては防衛省・自衛隊が統制する。この際、関係省庁、自治体、その他の関係機関・団体と必要に応じ調整する。ウ.国際支援受入れのための標準手順書(SOP)の整備?国の総合災害対応機関による統一的かつ迅速な受入れをサポートするために、各府16現行では緊急災害対策本部が「国の総合災害対応機関」に該当するが、本研究会では災害対応により特化し、専門性を強化した機関の必要性が議論されたことから、この表現を使用している。(以下同)17姉妹都市関係に基づく受入れや民間ベースの受入れはこの限りでない。18最終責任を負うという意味であり、必ずしも受入れ実務に直接関わるという意味ではない。19より使いやすいしくみとするため、到着空港における一時保管や物資の仕分け、同一仕向地あての複数の物資の一括発送なども柔軟に行えるようなしくみとすることが望ましい。これらについて、あらかじめマニュアルのような形で条件設定を定めておくことが求められる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14人道研究ジャーナルVol. 3付録, 2014