ブックタイトル人道センタージャーナル第3号 付録(提言書)

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概要

人道センタージャーナル第3号 付録(提言書)

The Journal of Humanitarian Studies Vol. 3 Annex, 2014映させる「主流化」が実現していない。(3)課題の深層原因に関する分析?なぜ、適用されなかったのか。そもそもこうしたスタンダード自体が普及しておらず、知られていなかった。これにはこうしたスタンダードのほとんどが日本語に翻訳されていない点が大きい。他方、国際支援の現場を知る国際NGO関係者等はこれらを周知・徹底し得る立場にあったが、そうした者も役割を果たさなかった。例えばジェンダーについて、国際支援に関わる人間の中にも日本は特別というダブルスタンダードを平気で擁護する者もおり、意識レベルの問題も指摘された。特にジェンダーについては、平時における日本の女性が置かれている立場に鑑み、問題が根深い。実際ハンディキャップを持っている人たちへの配慮も災害時に急に行うのは無理がある。?国内対応関係者と国際支援関係者の関係が断絶しており、相互学習や人材交流の機会がほとんどない。そのため国際スタンダードの国内への適用、あるいは国内対応の国際スタンダードの反映というプロセスがほぼ存在しない。この点、国際支援のスタンダードを知るポジションにある外務省と内閣府(防災)の担当部門間の平時からの連携も不十分と言える。JICA職員もそのマンデートの関係から、海外での活動を通じて様々なノウハウを有しているにも関わらず十分生かされなかった。日本赤十字社においてすら、国際スタンダードの適用を「国際派」が「国内派」に訴えた場合、事実上開発途上国での災害に対して発展してきた「国際スタンダード」の先進国日本への適用という点で根強い抵抗感あるいは違和感がある。?子どもと女性が注目されるが、子どもも年齢層があり、その他妊産婦、高齢者、障がい者、外国人等でそれぞれの課題がある。多様性を尊重する、というアプローチを主流化すべき。他方、高齢者や障がい者の支援・保護については、国際的にも議論途上であり、まだ現行のスフィア・スタンダード上も検討が不十分との指摘もあることから、東日本大震災の経験に基づき日本がこうした点で国際的に貢献できる余地は大きい。2.提言(1)提言内容?国際的な観点から現行の国の体制を見直し、想定される「南海トラフ地震」等広域大規模災害への十分な対応を担保するため、新たな応急対応体制の制度設計を担う専門検討会(以下、検討会)を発足させる。検討会には政府のみならず、国際災害支援の実務や国際最低基準に知見を有する多様な関係者を参加させ、協議の過程および成果を一般に公開する。本検討会は内閣府が担う防災体制の一部に位置づけ、政府公認の検討会として発足させる。更に、本検討会は、以下に提起する一連の改・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人道研究ジャーナルVol. 3付録, 2014 21