ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015田島:万博の2年ぐらい前だったと思いますけれど、本社の中にプロジェクトチームを立ち上げて、三根さんが中心で何人か集まったじゃないですか。そのときに、あなたもおっしゃっていた、僕もそうだと思っていたのは、さて、何をやるかということについて自由に話し合いをやろうじゃないかと言ったときに、非常に刺激的だったのは、私も言ってしまったんだけれども、「もう赤十字とは何かというところから話を始めるの、よそうじゃないか、と言った。三根:赤十字とは何ぞやというのはもうやめようと。田島:そう、「赤十字とは何ぞやというところから始めるのはもうよそうよ」と。三根:そもそも論ね。田島:「アンリ・デュナンも、佐野常民も、ソルフェリーノも西南戦争も、みんなちょっとこっちへ置こうよ」と置いて、「われわれは一体何をこれからしようとするのかを話し合ってみようじゃないか」と言ったのを、非常に鮮明に今でも覚えている。非常に刺激的だったみたい。で、東浦さん、あんたが「そうだ、そうだ」って言ったんだ(笑)。三根それまでは覚えていない。田島:うん、それまで覚えている。東浦:それまで覚えておられる、こっちは忘れていますよ(笑)。田島:そのときにね、もう一つ言っておくの田島氏は、私がそう言ったときに、渡辺さんや他の皆さんがずうっとご一緒に見えていた。その中の丹青社の皆さんが、さーっと顔色を変えておられたのを僕、よく覚えている。三根:ほおー。田島:うん。やっぱり赤十字の起源とはとか、赤十字の事業とは、赤十字とは何をするのかとか、そういうところから展示の基本的な企画の考え方を、そこから始めていくように思っている方がおられたかもしれない。でも、そういうことに囚われないで、自由な発想で、われわれは万博で何をしようとするのかということを話し合ってみようよと言ったのをよく覚えている。東浦:私が覚えているのは、ここで話をしていても始まらないから、とにかくジュネーブへ行ってください。ジュネーブに、国際赤十字・赤新月博物館があるから、そこに言ってほしいと言った。私としては、何というか、赤十字の思いというのが一番詰まっているというふうに思っていたんで、それを見てきてくださいませんかということを申し上げたのを強く覚えている。行かれたんですよね。渡辺:はい、参りました。田島:それは、ずうっと後になってから。東浦:ずうっと後ですか。洪:タイミング的には割と後ですね。田島:そう、後。ある程度の話がね。洪:ええ。私にとって自分なりの整理がついた節目が二つありました。最初は本当に何をやるべきかという白紙に近いところからの作業で自分もよく分からなかった。けれど、一つ目の節目となったのが、いろいろと赤十字の活躍する支援活動だとか、報道も含めて、目にするもの、耳にするものを集めることで方向性が見えてきた時です。展示をやってきた中で、やっぱりど真ん中に何を訴求するかが見つかった時って、迷いがなくなるんです。今回は何なんだろうな114人道研究ジャーナルVol. 4, 2015