ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015井上:万博協会としては、伊達や酔狂でパビリオンを無償提供するのじゃない。集客に貢献できる内容を期待したいんですね。結構きつかったですね。言外にあったのは、「クオリティーの高いものを、日赤さんはできるんですか」っていう圧力みたいな。万博素人の団体、万博なんて出たこともないような団体で、できるんですかっていわんばかりのことなんですよね。三根:で、「1モジュール、必要ないでしょう、半分でいいでしょう?」と、こう言われたの。井上:そうそう、そういう話があった。三根:「半分ですか」と言ってね、それはずいぶん反論したんです。で、公式参加は認められませんと最初言われたんです。公式参加は。井上:日赤はもちろん、赤十字も国際機関じゃないから。三根:ええ、政府が出すやつだとか、それから、各国のそういう国際機関としての、公式参加としての資格がないというわけで、日本赤十字社だけでは。「だから、半分でいいんじゃないんですか」と、ここまで言われたんですね。結局、公式参加に持っていった経緯がちょっとあるんですけれど。それは国際赤十字・赤新月館ということで、出展するんだということで、相手も「それなら公式参加で認めましょう」と、こう言われたんですけれども、結果としてね、だから、それを認めていただいたということは、もう全部協会がお金を出してやってくれて、費用的にものすごい助かったんですね。東浦:私は、そのことで、ジュネーブの連盟と、ICRC(赤十字国際委員会)と、それから国際赤十字・赤新月常置委員会というのがあるんですけれども、そういうところと話をしに行ったんです。私自身ジュネーブでプレゼンしているんですよ。どういうことをかについて。で、そのことで協力をしてくれるか、協力の内容としては、映像だとかを全部出してもらいたいんだというようなことを言いに行ったわけです。その後で、皆さんにはジュネーブに行っていただいたんです。最初はジュネーブ側も、本当にできるのというような(笑)感じだったんです。それだけハードルが高いことになっているわけだから。三根:結局公式参加は4つ、国際機関は4つだった。国は12 1。田島:国連が入っていたですね。三根:ええ、そうです、4つの国際機関だけです。そのうちの1つが赤十字館。だから、入ったということによって、もうハコモノは少なくとも1モジュールが提供されるし、これが提供も解体もしてくれるんですね、もう公式参加ということで。内部の造作のみで済んだという、大変光栄な結果になったし、これがまた内部を説得するときにも使えたわけです(笑)。井上:そうですね。不安を少し持っていたのは、国際赤十字運動2は、ジュネーブ条がベースにあるけど、国連機関ではないんですよ。国際的なNGOではないけれど・・・三根氏1編集者注愛知万博に参加したのは121ヵ国(日本を含む)と4つの国際機関。国際連合(国連本部および国連関係機関33が含まれる)、経済協力開発機構、国際熱帯木材機関と国際赤十字・赤新月運動。ちなみに最終公式入場者数22,049,544人2編集者注ICRCも国際赤十字・赤新月社連盟も国連の総会で発言権はあるが投票権のないオブザーバー・ステータスを持っており、国連機関からは特別な国際機関として認められている。ICRCは1990年10月16日に、国際赤十字・赤新月社連盟は1994年10月19日にこの地位を付与されている。人道研究ジャーナルVol. 4, 2015117