ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015井上:しかも、7分、10分は短かすぎるって。「最低でも30分ぐらいだ、映画は」って(笑)。渡辺:でも、それはね、万博ってどういうものっていうのをご存じない方はそういうふうに思っても仕方ないですよ。井上:だからね、万博を少なくとも、仮に一番勉強したり、知っている者が説明しなければいけないんですよ。渡辺:それしかないですよね。井上:説明しても納得しない堅物もいるんですよ。三根:そう、いる。「タガタメ」の選曲と無償提供東浦:いや、そこからいくと、一番のヒットは、曲を選び、その曲と映像がシンクロされたということにあると思うんですけれども、この曲選びはどういう形で始まったんですか。洪:まずは、パビリオンの核は何なんだろうかというところから始まるのです。つくば万博ぐらいから、映像が中心に、万博が動いていた。つくばは「技術博」だったので、大型映像というのをお披露目するって、まさに万博としての1つの大きな役割を果たしたんですけれど、それが何だか常套手段になっていってしまって、それは本当にいいのかと。珍品、列品、見たことないもののお披露目会という、それが昔の万博だった。映像が本当にいいのかどうかということや。でも、やっぱり物が見せられないパビリオンの中で目玉は何だろうかと。万博らしいインパクトというか、ものすごい刺激をもらえるやっぱり映像だろう。ならば、映像中心に行こう、というようなことから始まりました。映像はどうあるべきか、ということを渡辺さんとも一緒に議論していきました。お客さんに感動を与えるもの、それから、テーマコンセプトはもう揺れることはないんですね、人道ということなんで。それを考えていったときに、選択肢は少ないというか、なかったというか。「タガタメ」という曲が一番いいんじゃないかという、映像プロデューサーの渡辺さんの発案だったのです。東浦:渡辺さんが、この曲だということをおっしゃられたんですか。渡辺:はい。洪さんが先ほどもおっしゃっていた、「赤十字ってへこんじゃったところを埋めるのが赤十字の役割だよね」。で、「それを入場者に伝えられれば、このパビリオンはメッセージとして成功するんじゃないか」。そうしたらもう「タガタメ」しかないなって。もうこれしかないなって、ピンと来てしまったんですね。東浦:「タガタメ」っていうのは、当時まだ日清製粉か何かのコマーシャルソングだったんじゃないですか。渡辺:まだ、そのときは流れていなかったかもしれません。洪:あれがCMで流れてちょっとショックだったというのはありました。「えっ」と思って。渡辺:この曲を使おうと思ったときは、恐らく流れていなかったと思います。私が一等最初に感動したのは、まだ筑紫哲也さんがやっていた時代の「NEWS23」で桜井さんが出てきて、オーケストラと一緒に「タガタメ」をやったときがあったんです。で、実はCDとかでも聞いていたんですけれど、そのとき以上に、生の桜井さんが本当に気持ちを込めてというか、もう渡辺氏120人道研究ジャーナルVol. 4, 2015