ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015洪:大体こっちはもう直球で行くしかないと思うから、この思いをずうっと伝えまくったんですよ。そうしたら、最初に何か社長のように、何か少し威厳を持った人の表情が、だんだんただのおやじさんの顔になってしまったんですよ。渡辺:少しずつ前のめりになってきた。洪:そうそう。それで、最後はもう普通のにこやかなおじさんの顔になってしまった。多分これが「人道」なんだろうと思ったんですよ。三根:すごい。洪:あれはね、すごく、やっぱり印象的だったですね。三根:うわー、感動の話ですね、それ。田島:映像はお持ちになったんですか。洪:映像?ないです。イメージ紙資料はお見せしましたが。田島:話だけで。洪:話だけ。渡辺:曲を提供してくださるかどうか分からない時点で。洪:うん、それは、そこからじゃないと始まらない。ただ、コンセプトとか企画の内容を言って、要するに、すべてがこういう思いのプロジェクトなんだと。田島:すごい、すごいですね。渡辺:ペーパーはいっぱい持っていったんです。洪:そんなではありません。そのときに、「この曲しかないんです」って。三根:説得力があるな。東浦:ご本人からオーケーが出たのは、それからほどなくしてからだったんですか・・・渡辺:だいぶたってからですね、もう本当にだいぶたってからです、もう駄目かもっていう。途中で何度も、Mr .Childrenのマネジャーさんには連絡をしていたんですが、「まだ返事が来ません」「まだ返事が来ません」。実は、まだあんまりちゃんと説明できていなかったんですよね。洪:温まっちゃっていたんですよ。渡辺:そう、おもんばかって、マネジャーとしてもずうっと自分で抱えていたんだというのが後で分かりましたけれど。三根:なるほどね。渡辺:ぎりぎり、もう本当にぎりぎりになって、「オーケーです」と、「無料で提供します」と。洪:そのときに、そのトイズファクトリーの社長さんに、これはもうこういう思いで、別に他意はなく、ただ人道の話を赤十字としてしたいと。ついては無償で提供してほしいという厚かましい条件を付けてしまったということだったんです。三根:すごいな。東浦:ご本人は、実際に愛知万博へ来られて、ご覧になっているんですか。渡辺:いえ、そうじゃない。その前にですね、その曲を提供してくださるということが決まって、もう一つ厚かましいお願いをしまして、メッセージを桜井さんからもらいたいと。それを映像で撮らせてもらいたい、それもただでやってほしいという、もう一つのおねだりをしたわけですね。そうしたら、「分かりました」と。「ただ、映像が出来上がったら必ず見せてください」。桜井さんと、小林武史さんがその映像を世の中に出していいよというオーケーを取ってからじゃないと、世の中に出さないでください。だからやっぱり彼らのクリエイターとして、本当にかなりのスタンダードをいつも要求しているので、彼らが納得しないものを世の中には出すなと言われたんですね。その試写を兼ねて、そのときに撮影をしましょうと、ということになりまして、桜井さんに見ていただいた後でエンディングを変えましたので、出来上がるちょい前ですけれども、桜井さんの事務所にお邪魔をして、撮影の前にまず見ていただいて。東浦:そのときの反応はどうだったんですか。渡辺:大変良かったですね。人道研究ジャーナルVol. 4, 2015123