ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015くれるようになったかというと、みんな企業のパビリオンのコンパニオンさんが見に来て、あれが口コミだったんですね、ものすごくいいよっていうことで、皆さん誘って来てくれて。企業間のコンパニオンがまず広めてくれた。東浦:そんなことあったの?三根:そうなんですよ。田島:こういうのもあったよ、男の人が朝、真っすぐうちに向かってきたの。おお、今日は幸先がいいなと思ってさ、あんまり人も来ないときだから、真っすぐ来たの。私は、その人一人のためにスイッチ入れているわけです。終わって出てきたから、私は、「失礼ですけれど、どうしてうちに真っすぐ来ていただいたんでしょうか」って、その方に伺ったのよ。下げているカードの色から、万博協会のスタッフの人なのね。その人が私にこう言ったの。「昨日学校で、娘がこちらをお邪魔して帰ってきてから、絶対にお父さん、見て来いと、娘に強く言われたから」って言われて。子どもたちは、ほかは混んでいるから、一番入りやすいうちへ来ているのね。三根:そう、そう、最初はね。田島:小学生たち、うん。しかし、せっかく来たんでしょう、びっくりして帰っているわけ、みんな。それがやっぱりリピーターを呼んでいるのね。東浦:何日間ぐらいが暇な時期だったんですか。井上:それについても僕はね、本当に悪夢のようだったんです(笑)。洪:悪夢。井上:というのは、この映像、ひょっとするとナレーションやキャプションが入った可能性があったんです。そのせめぎ合いの場面があったんです。最終的に上映作品の幹部のいわゆる検分があったんですが、最終案で、これでいいかどうかの検分を幹部何人かにお見せした。そのときに見た幹部から、「これ、どこの映像かさっぱり分かんないじゃないか。アフリカの映像なのか中近東の被災現場なのか全然わからない」といったような・・・。キャプションも何もないから「分かんないよな」と言ってみんなの同調を求める素振りを見せたり・・・そうすると部下の皆さん同調して、「そうですね」と言うわけですよ。それから、「ナレーションは全然ないの」とか言うわけですね。三根:そうでしたね。井上:それで、「えっ?」って。これは雲行きが悪いなと。幹部がそういう発言をするとみんな、「うん、そうですよね」って感じで同調しはじめるわけですね。それで、これは雲行きが悪いなと思った。下手したら、これはやっぱりナレーションと説明ぐらいはぜひ入れないと駄目だな、というような話が出てくる可能性があるなと思ったんですよ。「説明はしない。・・・感じてもらう」がコンセプトだったのでそんなことになったら台無しですよね。で、なぜか、そのとき、「いや、これでいかせてください。」と切羽詰まって言ったんです。ナレーションは要らない、なぜ入れないかというそんな話ししたと思うんです。そうしたら、幹部もそれ以上、何もいわなかった。それ、覚えています?そういうことあったんですよ。三根:うん、覚えている。井上:ここで頑張らなかったら、下手したらナレーションが入る。そんな危機感と恐れかな。井上:「ここはコンゴの映像です」とかの説明が、どうもそういうものが入るなという気配がしたから・・・幹部にそれを言わせたら、もうわれわれはそれに従わざるを得ないですから。三根:ポイント、ポイントがあったよね。井上:ポイントがあった。三根:そういうときは頑張ったね。井上:うん、それ(笑)そこがポイントだと思った。僕も日赤に40年近くいて、いろいろ妥協していることはいっぱいありますよ、仕事130人道研究ジャーナルVol. 4, 2015