ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015で。だけど、人生でポイントがいくつかある。その重要なところは妥協しちゃいけない部分があったと思う。そのときは、そこだと思ったんですよ。それには伏線がある。3月25日、オープンしてから、しばらくパビリオンは閑古鳥ですよ。それまでにもプレッシャーがあって、ときたま悪夢を見るんですよ。誰も入っていないパビリオンの夢を見るんですよ。「ああー」と思って目が覚めると、「あっ、夢だったのか」といったような。ところが3月25日スタートしてからそれが正夢になっちゃったんですね。みんなアメリカ館へ走っていく。それから終わると、覗くんだけれども、「赤十字ですか。何をやっているんですか。献血でもやっているんですか」なんて言って、みんなマンモス館へ行ってしまう。これはかなりのプレッシャーで、ひょっとしたら、あれは正夢で、うちのパビリオンは誰も入らなくて、全部人気館に取られてしまって、みんな素通りするパビリオンになっちゃうのかとか・・・。1週間くらいのイベントならいいですが、万博は半年でしょう?半年も醜態を晒すというのは、えらいこっちゃ、耐えられないと思って。三根:いや、だけどね、4月8日に初めて「読売新聞」がね、取り上げてくれたんです、「読売新聞」。そのきっかけはね、やっぱり、企業のコンパニオンたちが盛んに宣伝してくれた。それをやっぱり記者が聞きつけたんでしょうね。三井・東芝館のコンパニオンは、休日のときにアルバイトに来たんです、赤十字館に。井上:来ましたね、アルバイト。東浦:アルバイト?井上:というか、ボランティア。渡辺:いましたね。三根:ボランティアで来てね、自らボランティア活動をそこでやっていた。もうぜひ、ここで働かせてくださいと。だから、入場者が少なかったのは、そんなに長くはなかったと思います。井上:そう。長くはなかったですね。三根:4月8日に新聞に出た。井上:万博出展報告書にも載せたグラフですけれど、これを見ると、なだらかな線が5月13日までで、そこからはもう本当に一直線だから、多分ここからはもうずうっと定員を埋め尽くしたと。ただね、1週間、2週間がすごく長く感じて。俗な話だけれど、「これは幹部になんか言われるな」というのを覚悟しましたよ。(笑)田島:井上さん、今さ、あなたがおっしゃった、あれ、旗を持ってツアーの行列がうちの前を通ると、「何だ、献血か」。三根:献血をやっているのかと。田島:「ああ、ここへ来てまでやっているのか?」。井上:そうなんです。田島:ねえ。僕は、さっきの藤森社長の話されたことを三根さん、今読まれたけれど、「赤十字、ああ、献血か」ってなもんだよ。それを打ち破って一歩この暗闇の中に引っ張り込むというのが、これはやっぱりあれだよね、万博の話じゃないよ。社員募集の話だよ、本当。井上:うん、だから、今だから結果オーライで良かったと言えるんだけれども、少なくとも、先に知らない。田島:真剣勝負だよな。東浦:洪さん、その辺はどういうふうなお考えをお持ちでしたか。洪:チャレンジしかなかったんです。だけど、ここまで真剣にやれば、多分響くだろうと。ただ、恐らくそんな簡単にはいかない。じわじわ、じわじわ来るのを待つしかないというところはあって、それがどれぐらいで、実際のように、こう上向きになるかは全然想像がつかなかったです。これに絡む話では集客目標。入場者目標者数は何名ですかって、私、問いかけられたんです。そのとき、かなり低めの数字を言いました。万博では代理店が決めたセオリーがあります。そ人道研究ジャーナルVol. 4, 2015131