ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015入場証を出しましょうという、もう普段考えられないようなことをやってくれたみたい、これはやっぱり。田島:結構患者がいたんでしょう?三根:いましたね、結構。渡辺:とくに夏は暑かったですものね。三根:これはまた統計で報告書にも出ていますけれども、暑かった。これもまた医師と看護師が、やっぱり万博に参加できたという一つの、やっぱり一体となってやられたという、非常にこれも良かったですね。病院にはずいぶん協力をしていただいたですけれども。田島:やっぱりね、同じことを言うようだけれど、間を見て、ほかのパビリオンをずうっと見に行くでしょう?やっぱりうちのパビリオンの雰囲気や、やっていることは違うよ、よそと。よそのパビリオンは楽しくて、にぎやかで、うれしくてというところだよ。うちの場合はそうじゃないもの、静かだもの。東浦:考えさせる。三根:そうだ。田島:うん。やっぱりね、違うんだよ。そこのところだね。洪:万博は、ある時期からすごく集客が重視され始めました。集客というのは結果なんですけれど。以前は本当に珍品、列品、見たことのない強烈な体験というのが万博であり、だから人も来るんだけれど、何か上っ面だけとは言いませんが、集客しなければいけない、さっきの10%を稼がなければ、ということが起ってきてしまったように見えます。田島:そうですね。洪:ええ。別にこれは集客のためにやっているわけじゃありませんが、本当にインパクト、それは本当の意味での、何か背骨であり、ど真ん中にインパクトを与えるとどうなるのかという、まれなパビリオンをやったんだと思うんですね。その結果集客につながった。われわれの館は定員制だから、当然一定数より増えようがないんだけれど、そこをずうっと満席にしていく力が、結果として表れた。これは人を集める力、数だけでない異質な集客なんですね。それが、冒頭に三根さんが言われた、藤森さんの言葉で、万博はなぜやるのかというと、本来の社員制度にするため、というまさにそのことなんだって、つくづく思うんです。だから運営にしてもそうだし、そこに来る人たちの、茶髪のお兄ちゃんなんかもそうなんだけれど、やっぱりみんな人間という素に戻って感じてくれた。それが共通の意識になっているからすごく強いなと。万博出展が遺したもの田島:ひずみを埋めるとか、人間の命の問題だとかとか、赤十字の常識を外して、そういうことについて考えたり話し合ってみるというようなことが、やっぱり今のこの本社の中でも考えられているかどうかというところへ行くのね、はっきり言って。私、今そう思うの。僕は三根さんに頼まれて、副館長をやれと言われたとき、半年間大変だなと思ったけれど、今になってみるととてもいい経験をしたと思っている。だけど、それ、どこかへ消えてしまわないで、今の赤十字の現実の本社の中で、そういうことが大切にはっきりと確認されているかどうかというところへ来るね。最後にあえて、言い損なわないように言うけれど。三根:僕は、相当強引に本社を説得したわけですよ。で、財政当局も相当金を黙って出した。アメリカ館に向かってくると、ただ、木の壁だけしか見えないところに赤十字のマークを開館した後にくっつけた。田島:そうだよね。三根:もう注文してから金を出せと言ったぐらいでね。でも、黙って出した。だけど、黙って出したほうは、映像からいろんな注文を付け人道研究ジャーナルVol. 4, 2015135