ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015たけれど、みんな突っぱねられて、金はどんどん出させられて、相当強引なことをやったもので、これはもう記録に残しておいてもらわなければ、総務の幹部に会うたびに、「一度見に来てください、財政当局、責任ありますよ」ってよく言ったの。最後まで見にこなかった(笑)。渡辺:総務も普通のスタッフの方だと思うんですけれども、開館の前にチェックにいらして、計画書どおりにあちこちができているかどうかのチェックにいらして。三根:あっ、そうですか、知らなかった。渡辺:で、映像をご覧になるとき、お一人でご覧になるわけですよ。で、どんなことがその後起こるのかと思って、われわれ、戦々兢々としていたら、電気がついたら泣いていらしたの。井上:そうそう。渡辺:ねえって言って、あれで井上さんはものすごくほっとして。井上:ほっとした。渡辺:「渡辺さん、大丈夫だよ」っておっしゃったのがすごい印象に残っています。井上:こうやって(涙を拭って)いたよね。ハンカチで。三根:あっ、それ初めて聞いた。井上:うん。鬼の目にも涙?渡辺:そう(笑)。洪:そんな現象を起こすんですね。田島:やっぱりさ、10年だから記憶にない人も多いと思う、しかしね、すごく大事なことをしたと思うの。だからやっぱりね、それ、どこかで、社の中で生かしていかないといけないなって思うね。三根:思いますよ。原点は変わらないものね。田島:そう、変わらないんだよ。井上:あの原点を忘れてはいけないですよね。東浦:そのためにもこの座談会を企画したのですけれども。(笑)三根:私も赤十字に長くいましたが、長くいる人間が再認識したというかね、そんな感じですよね、あえて。田島:そうですね。渡辺:あと、数字には出てこないんですけれど、リピーター率が高かったというのは、恐らく、あの万博会場の中でナンバーワンじゃないかと思うんですよね。私、お話を聞いた中で、一番すごい方が、42回目ですとおっしゃった方がいたの。42回来ているという若い男性だったんですよ。三根:しかも並んで入っているわけだよね。渡辺:並んで入っているんです。で、もう後半なんて4時間、5時間並んで入っていらして。東浦:いや、いまだにですね、ネット上にはたくさんの、赤十字館についてのコメントが残っているんですね。残っているものをまとめてみたら、30ページぐらいあるんです。ネット上からいまだに消えていない。赤十字館は大変大きなインパクトを与えてきたんですね。これは、洪さんのお立場で、赤十字館は今後の万博とか、国際展示というか、そういう中で、どんな意味合いを持っているんでしょうか。洪:やはり、発信すべきものをどういうふうに発信するのかという真剣な向き合い方ですね。だから、その時々で盛り込めなければいけないものはあるかもしれませんが、打ち出すべき方向性を定めてその中で、一番大事に真剣に向き合わなければいけないことは、決して外してはいけないと思うんです。それがあるかないかでは訴求力も違えば存在価値も全く変わってしまいます。それが今回の場合、人道ということだったんですね。田島:うん、なるほど。洪:ええ。だから、そこを外すと、どこか変なものになるというか、嘘のものになるというか、それをまた、まやかしで消そうとしても、どこかほころびると思うんですね。でも、全部が全部ピュアにやり切れるものばかりじゃないとは136人道研究ジャーナルVol. 4, 2015