ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015<参考資料I>RAID CROSS(レイド・クロス)角田敦彦1はしがき本教材は、青少年に対する国際人道法の普及を目的に、2005年にフランスとベルギーの赤十字において開発され、現在は赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross,以下「ICRC」)がその普及にあたっている同名の教材を邦訳したものです。国際人道法とは、ジュネーブ諸条約およびそれらの追加議定書を中心に、主に武力紛争時に適用される諸条約、法規、慣習の総称ですが、あらゆる法律や社会制度が機能し難くなる武力紛争下でも、人間を常に尊重し不必要な暴力や苦痛から守ろうとする規範でもあります。その意味で、国際人道法は、私たち人間がいかなる場合にも守らなければならない、最低限のルールといえます。また、人間を中心に据えた国際人道法の精神は武力紛争時に限らず、私たちの一見平和に思える日常生活におこるさまざまな摩擦や問題の平和的解決の手段として、常に有効に機能すると考えられます。一方、これら条約の締約国は、みずからが加入する条約の趣旨や内容について、自国の軍隊だけでなく、民間人である国民に広く普及する義務を負っています。現在、青少年に国際人道法を普及する教材として、ICRCから「人道法の探求」(Exploring Humanitarian Law)、日本赤十字社からは「赤十字と国際人道法」「誰もが人間らしく生きるために」など普及対象によって多様な教材が用意されていますが、本教材はこれらとならび、青少年が体験的に国際人道法の精神を学ぶことのできるすぐれた教材といえるでしょう。原文には、教材を展開するにあたり参照するべき項目2についての解説があり、本来すべての内容をご紹介すべきものでありますが、世界の紛争の状況が日々刻々と変化するなかで、内容的に最新なものに書き換えた方が良いもの、あるいは国際人道法の基本的な内容など、この教材を指導する方であれば十分に承知されていることなどが含まれています。さらに掲載誌の紙幅の関係上、編集者からの依頼もありましたので、これらの解説については割愛させていただきました。あらかじめご了承ください。なお、今回の拙訳掲載にあたっては、日本赤十字学園国際人道研究センターの本教材に対する深いご理解とご支援をいただいておりますが、訳文についての最終的な責任は訳者にあることを申し添えます。平成27年1月訳者記す1日本赤十字広島看護大学教務学生課課長補佐2 1国際人道法とは、2赤十字の歴史、3紛争の新たな形態(赤十字国際委員会(www.cicr.org)による国際人道法に関する第1回定期会合(1998年1月19~23日、於ジュネーブ)のための準備書面)、4地雷、5テロリズム、6戦争下における子どもの保護についてのICRCの見解、7武力紛争による子どもの犠牲者の保護、8戦争下における子どもの保護、9紛争時のさまざまな抑留者人道研究ジャーナルVol. 4, 2015209