ブックタイトルThe Journal of Humanitarian Studies
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The Journal of Humanitarian Studies
Journal of Humanitarian Studies Vol. 4, 2015?問題点:主な問題は、民間人が紛争に巻き込まれていることから生じています。通常のルールにおいて一般住民は保護されますが、直接戦闘に参加すると、その保護の権利を失ってしまいます。つまり、たとえ彼らが組織化されていなくても、公然と武器を携行し、敵や、敵のものに攻撃を行うと、彼らは戦闘員とみなされ、攻撃を受けることがあります。次のような場合、民間人は戦闘員とみなされるでしょうか??敵をスパイすること?敵に食糧を提供したり、泊めたりすること?敵のために武器を隠すこと?パトロールが通るとき、敵を地下倉庫にかくまうことこのような場合、その民間人は攻撃の対象となるのでしょうか?答えは明白です。過去においては、ほとんどの武力紛争が2国間以上の国と国との間で起こっていました。そういう状況では、戦闘員と非戦闘員との区別の問題は多くはありませんでした。兵士は一目見てわかる軍服を着用し、戦闘は、一般住民のいるところから離れた、明確に決められた戦場で行われていました。しかしながら、紛争の性格も進化してきました。地球を荒廃させている大半の紛争が、正規の軍隊と反乱グループ、あるいは反乱グループ同士の間で起こっています。しかし、反乱グループや国家解放運動や抵抗運動は、通常の軍隊のように必ずしもうまく組織化されてはいません。仮にそういうグループのメンバーが―まれなケースですが―きちんと制服を着ているとすれば、それは未熟なメンバーです。これらのグループはしばしば、基本施設、空港、重砲、海軍などを持っていません。彼らの戦術は、ゲリラの戦術と同じで、待ち伏せ作戦や、散発的な攻撃を行い、明確な前線がなく、暗殺計画があり、機敏性に富むよう兵力が分散され、個々の小さなグループで構成されています。簡単には姿を見せないのが彼らの特性です。彼らは常に身を潜めていなければなりません。このため、彼らは戦闘員として推認する条件には明確にはあてはまらないのです。そのような状況において、通常の軍隊にとって、戦闘行為に参加していない民間人と、民間人のふりをして潜んでいる反乱軍兵士を区別することは非常に困難です。この混乱がしばしば国際人道法に対する違反行為を招いているのです。226人道研究ジャーナルVol. 4, 2015