ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

教育・研究事業報告書1.研究テーマReproductive Health Problem among High School Students and its Countermeasure inHanoi Vietnam.2.研究者(所属)研究代表者名渡邊香所属日本赤十字秋田看護大学職名助教3.要旨【目的】アジアの高校生のリプロダクティブヘルスの課題とそれを規定する要因を明らかにすることを目的とした。【方法】2012年に研究者らが調査を行ったベトナム・ハノイの高校生1672名の同意のもと、2013年9月~10月に保健介入を行い、6~8週後に質問紙による性意識に関する調査を行った。【結果】参加者の94.5%は17歳であり、男性903名(54.3%)、女性761名(45.7%)、計1664名だった。「婚前交渉をすべきでない」という設問への3件法の回答では、そう思う41.5%、ややそう思う44.2%、そう思わない14.3%であり、前年度の50.9%、34.8%、14.3%より寛容的な意見が多かった(p<.01)。また、「愛情があれば婚前交渉をしてもよい」という設問に、そう思う、ややそう思う、と回答した者は計57.7%で前年度の43.9%を上回った。「婚前交渉をすべきでない」という設問への2013年の回答を「性別」、「父からの性行動干渉」および「母からの性行動干渉」の有無で比較したところ、女性、父または母から性行動への干渉を受けている者に婚前交渉を容認しない者が多かった(p<.01,)。また、性に関する指導の有無と、自分は性に関する知識を十分持っているか否か、との間には有意な相関を認めたが(Rs=0.26、p>0.01)、これら2項目と性に関する質問への正誤には相関を認めず、前年と同様の結果だった(Spearman検定)。【考察】対象者は、経年により性交渉を容認する者が増えたが、保健介入により、性交渉には愛情と責任が伴うことが必要であるという認識をもつ者が増えたと考えられた。また、父母の干渉はいずれも高校生の性行動を規定する要因であることから、父母に対する働きかけも重要である。保健介入事業を行うことで性に関する知識を持つ者は増えた。しかし、自覚する性教育を受けた経験の有無と自覚する性知識の有無は一致するが、実際の知識の有- 20 -