ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

無とは一致していないことが考えられた。今後は、多くの者が正しい知識をもって行動できるよう支援をする必要がある。4.キーワードリプロダクティブヘルス、高校生、性教育、性意識、性知識5.研究報告1)研究の背景・目的近年、欧米同様アジア諸国においても、若年者の婚姻外妊娠や性感染症が増加している。タイ、フィリピン、台湾、中国等、各国の経済発展や都市化の段階がそれぞれ異なるにも拘わらず、毎年各国から増加の報告がされていることから、ベトナムも、急速な経済発展と都市化が進む中で、今後これらの国々と同様の問題を抱える危険性があると指摘されている。なかでも、望まない妊娠は人工妊娠中絶(特に必要な技術を持たない者によるものや、最低限の医療水準に満たない環境で行われるもの等の「安全でない人工妊娠中絶」{世界保健機構(WHO)})の増加につながり、多くの思春期女子の心身の傷になるだけでなく、直接の死亡原因ともなっている。WHOによる2008年の調査では、世界では約2,160万人/年の女性が安全でない人工妊娠中絶を受け、そのほとんどが開発途上国で行われ、41%が15?24歳の若者(15%が15?19歳、26%が20?24歳)と報告されている。この望まない妊娠の予防策を考えるうえでは、思春期の若者(adolescents)は成人とは異なる特殊性があることを認識する必要がある。思春期には、強い衝動と知識や経験の少なさによって避妊や感染予防策を十分に講じない危険な性行為を行ない、その結果、望まない妊娠や性感染症と、それに起因する各種問題を引き起こしがちである。身体的・社会的に十分発達してからの性行為開始が最も理想的であり、思春期は性行為をしない選択をすることが望ましいともいえるが、万一する場合には、次善策として安全に行動できることが必要である。1998年カイロ行動計画(ICPD)においても、思春期の若者に対するリプロダクティブヘルスの必要性を喚起している。これまでベトナムでは、18歳以上の若者の調査報告が散見され、近年の性行為開始の若年化傾向、婚前性交率の増加傾向が指摘されているが、高校生以下に関しては性の知識や性行為経験者が少ないという結果報告のみで詳細な調査分析がされておらず、研究としての報告もみられない。本研究は、思春期にある高校生を対象に、調査に基づき有効な保健事業の介入手法を開発、- 21 -