ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

推移から、駆虫効果の問題だけでなく、再感染を起こしている可能性は高く、予防行動の実施方法に問題があるのではないかと考えられる。そこで、平成24年度より、主たる感染経路対策のひとつである手洗い方法の改善という“実施”レベルで、学童に対するケースコントロールスタディーを行っている。介入の内容は、学校での流水と石鹸での手洗いの励行と、家庭でも同様の手洗いが行えるよう学童に石鹸を配布し、検便により再感染率を評価するものである。現行の介入研究は、学童の行動変容を期待しているものであるが、石鹸というツールを使うことにより、地域へも何らかのメッセージや影響を与える効果があるのではないかと考えた。よって、本研究では、ラオスの農村において、効果的な寄生虫症対策プログラムの構築にむけて、昨年度からの継続研究として(1)検便により、寄生虫症の感染率のモニタリングを行う(2)小学校での石鹸と流水での手洗いの実施による対策の効果を明らかにする本年度からの新たな試みとして(3)小学校で行っている手洗いの健康教育介入による学童の行動の変化と地域への波及の実態を明らかにする以上、3点を目的として行う。2)教育・研究事業の方法(1)対象2012年5月~2013年3月まで介入研究を行っているラオス農村8小学校の学童808名と、小学校が所在する1地域の住民145名を対象とした。(2)期間2013年5月~2014年3月(3)場所ラオス国ルアンパバーン県下の農村8小学校と小学校が所在する地域(4)データ収集方法調査1(2012年5月からの継続研究)対象8小学校を2校ずつ無作為にA~Dの4群に分けた。学校12をA群、学校34をB群、学校56をC群、学校78をD群とした(図1)。1介入1(2012年5月、11月)A・C群は、MBZ100mgを朝晩2回3日間連続で与薬をおこなった。与薬は、ラオス政府のMDAの時期である2012年5月と11月の2回、各学校の教員に依頼し実施した。B・D群は、ラオス政府によるMDAとして、従来通りMBZ500mgの1回の与薬を行った。与薬は各学校の教員がおこなった。その後2013年5月以降は、いずれの学校も従来のMDAとして、年に2回MBZ500mgの服薬をした。- 32 -