ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

たわけではないが、学童のグループワークの結果にあるように、学校で手洗いを始めたことにより、両親や地域住民の衛生行動も改善される機会になったこと、さらに、学童の陽性率が全体的に低くなり、村内の土壌を含む衛生環境も改善されたことが、陽性率の低下につながったのではないかと考えられる。村民の中には、自主的に駆虫薬を服用した人がいることも考えられるが、学童を中心とした衛生行動の改善により、村内全体の陽性率が下がる可能性があると示唆された。(4)今後の対策への示唆今回の調査結果から、2012年5月に行ったベースラインから手洗い介入群を中心に、寄生虫卵陽性率が徐々に減っている傾向にある。しかし、同一学校においても、虫卵の種類によって、その動向は一様ではない。よって、効果があるとは言い切れない点もあるが、少なくとも手洗いの実施は、全体的な再感染防止に効果が期待できる。今回、一部の介入学校ならびに、コントロール群とした学校においては、依然高い陽性率でもあり、今後、駆虫方法の検討を含めた積極的な介入が必要であるといえる。中にはプレコントロールレベルを超えている学校がいくつかあった。少なくとも、回虫については、駆虫薬の投薬方法に関わらず、手洗いにより再感染が防げる可能性が期待できる。また、学校2の結果が示すとおり、効果的な駆虫を行った上で、学校での継続的・積極的な健康教育を行うことにより、鉤虫・鞭虫についても、陽性率を下げる効果が期待できる。小学校での教員の健康教育への理解・実施状況、実施への意欲を加味し、対策を講じる必要があると考える。5)謝辞本研究を行うにあたり、フィールドを提供し、調査に協力してくださったラオスのルアンパバーン県保健局、マラリアセンター、郡保健センター・診療所の職員の皆様、ならびに村民の皆様に心より感謝申し上げます。6)引用文献Albonico M., Bickle Q., Ramsan M., Montresor A., Savioli L., Taylor M.(2003)Efficacy of mebendazole and levamisole alone or in combination againstintestinal nematode infections after repeated targeted mebendazoletreatment in Zanzibar. Bull World Health Organ,81,343?352.Flohr C.,Tuyen L.N.,Lewis S.,Minh T.T.,Campbell J.,Britton J.,...QuinnellR.J.(2007). LOW EFFICACY OF MEBENDAZOLE AGAINST HOOKWORM IN VIETNAM: TWORANDOMIZED CONTROLLED TRIALS,The American Journal Of Tropical Medicine AndHygiene,76(4),732-6.Fung I.C.H.,Cairncross S.(2009)Ascariasis and handwashing,Transactions of theRoyal society of Tropical medicine and hygiene,103,215-222.- 43 -