ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」にかかる教育・研究事業報告書

における人材不足が伴って、施設職員の多忙と精神的な疲労、給与や勤務条件などの労働環境などが影響し、不適切なケアに至った事が考えられる(倉林しのぶ、2009)。しかしながら、高齢者へ尊厳をもって関わるはずの医療・介護・福祉職員が、虐待や不適切なケアをすることは社会の中でも許されるべきものではない。これら虐待予防には職員の問題意識、そのための職員の意識や行動に変化をもたらす研修・訓練といった現任教育、それを生かすための職場や組織での取り組みと仕組みづくりが必要と言われているが(高齢者虐待防止ネットワークさが、2011)、先行研究においては明らかにされていない。そのため、職員の教育環境や実施状況、研修内容、職員の権利擁護の意識について、実態調査を行い、今後の職場内外を通じての現任教育のあり方を考える。養介護施設で勤務する職員の虐待予防の現任教育について、実施状況、教育内容、ニーズについて把握することは、職員個人や組織の教育体制と理解を把握することにも?がる。また、施設内の虐待予防は個人の意識だけでなく、組織での取り組みが重要である。つまり、施設において高齢者虐待予防教育を充実させていく事は、職員が虐待の加害者となることの予防、職員が犯した虐待の早期発見、施設に分離した被虐待者へのケアの方法を知るための教育にもなる。このような観点から、本研究においては、高齢者虐待予防教育の現状と課題を把握し、今後の展開について検討することを目的とする。(2)教育・研究事業の方法1)調査期間2013年11月1日~2014年12月28日2)調査対象調査対象施設は、高齢者虐待防止法に規定されている「養介護施設」であり、養介護施設は老人福祉法に規定される老人福祉施設、有料老人ホーム、介護保険法に規定される介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、地域包括支援センターである。本研究においては、A市内31箇所の承諾の得られた養介護施設の施設従事者(看護職、介護職等)390名を対象とした。3)データ収集方法1調査方法無記名自記式質問紙法により、承諾の得られた養介護施設の代表者から、施設職員へ配布し、記入後は同封した返信用封筒で郵送により回収した。4)質問紙の調査内容質問内容は以下のとおりである。1職員の基本的属性性別、年齢、職種、役職、看護職又は介護職等の経験年数、当該施設の勤務年数、当該施設の種別、雇用形態(常勤、非常勤)、勤務形態(日勤のみ、夜勤あり)- 46 -