ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

看護の導入の準備、介護保険利用の準備を行っていた。患者・家族は在宅酸素導入の指導を受け、その指導内容を学習し、要介護認定手続き等の在宅療養の準備を行うということであった。2病院と在宅をつなぐフローチャートの作成前述したモデル図を基に、看護師が患者の退院までに行っている看護実践を、フローチャートとして図式化した(図4)。これは、2回目までの検討会の中で語られた看護実践を可視化することで、今までの検討内容をまとめるとともに、連携のための問題点やつなげる方策について考えていくための「思考」を助けることを狙いとした。フローチャートの作成に当たっては、記号の意味や基本事項を守り作成した。フローチャートの始まりは「HOT導入」であり、終わりは「自宅へ退院」とした。また、病院から介護老人保健施設を介して自宅へ退院までの連携を示すため、病院でのフローチャートに続き介護老人保健施設でのフローチャートの作成をした。介護老人保健施設のフローチャートは、現在、介護老人保健施設で看護師として従事する研究会メンバーが作成した。「HOT導入」が決定した後、看護師は「患者・家族のアセスメント」を行い、「指導を行うことが可能か否か」の判断を行う。患者本人が指導を受けて理解することが困難であったとしても、同居している家族等が理解できる状況であれば、指導は可能と判断される。ここで、指導が不可能であると判断された場合には、医師にHOT導入について再検討を依頼するか、再度、キーパーソンを含めてのアセスメントを行うこととなる。「HOT導入」が可能であれば、HOT導入の指導を行い、その指導項目について「知識・技術のチェック」が行われる。このチェックは、酸素ボンベおよび酸素濃縮器の取り扱いと、日常生活での酸素の取り扱いについて、指導の進行状況と指導内容の理解の程度について確認をするためのチェックとなる。このチェックは共通の認識で行われる必要があることから、指導内容とその指導の進行状況および患者・家族の理解度の指標を示したチェックリストを作成し、そのチェックリストを用いて「チェック」を行うこととなる。チェックリストを用いたチェックがすべて完了した場合には、「解決できない課題はないか」の問いに「YES」となり「退院・自宅療養」で終了となる。一方、「NO」となった場合には、チェックがついていない個所を中心に「残る課題の検討」が行われる。その課題は訪問看護等地域の資源を使うことで「自宅療養が可能であるかどうか」を検討し、可能であった場合には、退院調整部門等を通して、その患者の療養に必要な地域の「共有できる他者の確認」を行うこととなる。共有先と連絡を取り「協力の打診」を行い、「受け入れ可能かどうか」の確認をすることとなる。受け入れが難しい場合には、再度「共有できる他者の確認」を行い、協力の打診と繰り返すこととなる。在宅療養を行うための協力先が決定したのちには、「残る課題」に関する情報交換と「目的の確認」を行い、在宅療養を続けるための病院と地域の「役割・責任の確認」を行い、緊急時の受け入れ態勢や療養に必要な機器・器材の供給体制、衛生材料の供給等について明確にしていく。退院- 107 -