ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

3連携を実施するために整えるべき事項と課題フローチャート内の「患者・家族のアセスメント」「知識・技術のチェック」「目的確認」「役割責任の確認」は、サブルーチン(定義済み)の記号で示しており、これらは、他に定義をする必要性があることを示している。例えば、「患者・家族のアセスメント」であれば、HOTを導入して在宅療養を行うために必要と考えられる『患者・家族のHOTに対する受けとめ』『機器操作の理解力や操作する能力』『生活の自立度、生活をサポートする家族の状況』等、患者・家族の基本情報からHOT導入に関わる知識や技術を受け止めるための能力を判断するための事項を一覧表等で明確に示していく必要がある。また、「知識・技術のチェック」であれば、退院指導の項目を明確にしたうえで、これらに基づき、知識の理解や技術の習得に関して段階を追ったチェック表を作成する必要があると考えている。これらについては、先行研究で示した、「慢性閉塞性肺疾患患者におけるHOT導入の療養支援パス」(鶴田、川村、酒井他,2012)の項目および既存の病院で使用しているチェック表を合わせて再度検討し、アセスメントやチェック表に置き換えていくことも可能であると考えている。同様に、「目的の確認」「役割責任の確認」についても、どのような確認がなされると連携がスムーズにいくのか、患者を安心して指導ができるのか、患者・家族が安心して療養できるのかを、病院・施設・在宅に関わる医療者間での更なる意見交換を行ったうえで決定していく必要があると考えている。6)考察1連携システムの構築のプロセスについて検討会を5回開催し、介護老人保健施設を病院と在宅の中間施設としての活用するための連携システムを構築のプロセスが明らかになった。研究参加者が一同に集まり、事例に基づく現状分析と介護老人保健施設の見学を通して、前半では、【機器管理】【病院の役割】【老健の制限】【訪問看護の現状】が語られ、後半は、【介入方法】【介入する上での課題】【介入の効果】が語られて、具体的な連携の方向性が見える段階に至ったといえる。3ヶ月間で5回開催された検討会に、延べ22人の研究参加者が参加した。5回の検討会の内容は早急に逐語録におこし、研究者が丹念に分析した。例えば、2回目に実際の2事例をもとに検討内容から「事例を基にした退院指導・支援モデル図」作成し、3回目でモデル図をもとに検討し、フローチャート図を作成して連携システムを可視化して4回目の検討会資料とした。5回目で洗練し【介入方法】【介入する上での課題】【介入の効果】が語られ連携システムがほぼ構築できたと考える。短期間で検討を終えることができたのは、検討の積み重ねが分かる可視化された資料の作成が影響していると考えられる。特に、フローチャート図を作成しながら、病院に入院しなくても外来から直接に中間施設である介護老人保健施設の入所を経て在宅に移行することも将来的には考えられるといった新たな連携システムの拡がりをみせ、連携システムはオープンシステムとして発展性が予測できた。研究レベルで開始した連携システムの構築は、病院にとっては在院日数の短縮に影響を与える- 110 -