ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

の評価を行った。(1)自記式質問紙調査(第1次調査)1調査の目的:東日本大震災の直後から被災地で救護活動を行った看護職員の心的反応及びケアニーズを明らかにする。2対象者:発生直後から救護活動を行った全国の日本赤十字関連病院の看護職員うち、本研究に協力の得られた病院において、研究協力に同意した人。3方法:調査内容は、属性及び背景、活動時及び活動終了後、調査時点(発災~18ヵ月後)の心の状態(GHQ28およびストレス反応、心のケアニーズ等である)。4倫理的配慮:日本赤十字広島看護大学研究倫理審査委員会の承認を得て(審査番号1206)、個人や所属機関が特定されないようにデータ化して処理した。研究対象者は、派遣後1年前後経過したとは言え、心的ストレス等を抱えていることを考慮する必要がある。そのため、調査票回答中に当時を想起して気分不良等引き起こす可能性も考慮して、途中で中断しても、拒否してもよいことを調査票に明記した。5調査期間:平成24年9月1日~平成25年12月31日。6分析方法:統計パッケージSPSS.Ver18による記述統計分析を行った。(2)救護要員として派遣された看護職のケアニーズとサポートを受けた心のケアに関するFGI調査(第2次調査)1目的:救護活動を行った看護職員が救護活動から勤務施設における日常業務に復帰後の心のケアニーズや、サポートについて明らかにすることである。2対象者:東日本大震災発生直後から救護活動のために看護師を派遣し、研究協力の得られた10施設の赤十字病院に勤務する救護活動に従事し、FGIに同意した看護職員。1施設につき5-12名。3方法:FGIのメリットとして、グループとしての意見を構築できること、相互作用による意見の引き出しができること、相互刺激があり、単独インタビューに比較して、意見が引き出しやすいことがある。本研究の最終目標は、大規模災害時に救護活動を行う看護職員の心のケアシステムを構築することであり、FGIの実際の中で、心のケアニーズや必要なサポートシステムなど、相互作用で研究協力者それぞれの考えも引き出されやすいため、FGIを選択し、実施した。対象の赤十字病院の看護部長に調査協力を依頼し、承諾を得たのち、被災地で救護活動を行った看護職員全員に研究計画書及び研究承諾書を配布していただいた。当該看護職員には個別郵送による承諾書の返送により承諾を得た。FGIは1グループ5~6名で構成し、1回1時間程度とし、インタビューガイド用いて実施した。4倫理的配慮:日本赤十字広島看護大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(審査番号1234)。特に、FGIは、東日本大震災発生直後から救護活動を行った看護職員が調査対象であり、心理的にダメージを受けていることも考えられるため、自由意志を確実に尊重し、匿名性の保持を保証した。- 133 -