ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

資料1<学会名>The Third World Academy of Nursing Science(Seoul Korea)*平成25年10月18日発表テーマ:透析療法導入から維持期に至る患者の経験―透析療法をどのように受け止め、維持しているのかー発表者:守田美奈子、本庄恵子、住谷ゆかり、山元美乃(日本赤十字看護大学)古川祐子、加藤ひろみ、渋谷紋子(日本赤十字社医療センター)1.目的透析療法を受ける人の増加に伴い、安全の確保に加え、患者のセルフケア能力とQOLを高めるための支援の在り方が問われている。今回は、透析療法を受ける人々への援助体制と方法を探求するために、急性期病院で透析療法を導入し、維持期にある人の体験を明らかにすることを目的に研究を行った。2.研究方法半構成的インタビュー法を用いた質的研究を行った。研究対象者は、血液透析を導入後2年以内の患者とした。当事者にとっての透析療法の意味づけや困難さ、支援課題などについてインタビューを行った。インタビューデータは、個々の背景や文脈を重視し分析した。日本赤十字看護大学の倫理審査委員会、および研究対象病院の倫理審査委員会の承認を経て実施した(2013-9)。3.結果研究参加者は、50代から80代であり、男性4名、女性2名であった。6名の語りから6つの特徴が見いだされた。参加者は、糖尿病や高血圧等の自己の疾患と透析療法が結びつく経験をもたず、そのため【突然の導入】という経験をしていた。ほとんどの参加者にとって、透析は自己責任感を伴う、選択の余地のない避けられない治療であった。参加者は、このような感情を【仕方ない】と表現していた。透析導入の初期は、【生活や社会関係の変化】だけでなく、周囲の関わりによる【傷つき体験】をしていた参加者もいた。また、【飲水の社会的意味】を医療者に理解してもらえない困難さを感じた参加者もいた。2年経過しても、参加者にとって透析療法は【慣れた感覚はまだない】という経験であった。4.考察透析導入前後の情報提供や患者指導の重要性、そして導入後の患者の社会生活や自己の変容に- 147 -