ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

Ⅰ.研究の背景看護学実習は、看護基礎教育において重要な学びの場である。本学は、赤十字の理念を基盤として、実習を通して学生が「ケアしケアされる」体験をすることを大切にするために、実習指導者と定期的な実習指導連絡会議を開催しながら、教員と実習指導者が連携して学生の指導にあたるなど工夫を重ねてきた。しかしながら、高度医療化とともに、在院日数の短縮化により実習期間を通して一人の患者を受け持つ困難さ、実習場への適応に時間がかかり短期間で実習場が変わる方法での学習の困難さなど(厚生労働省, 2012)が指摘されているように、実習で学生が効果的に学習するためには、看護基礎教育機関と臨地実習施設のさらなる協働と連携が重要といえる。現在、実習指導者の養成は、都道府県の委託を受けて看護協会などで実施されているが、研修期間が長いことや定員数に限りがあることから、学生の指導を担当する看護職員すべてが受講できる状況にはない。また、都道府県委託の実習指導者講習会での研修内容は特定の施設に特化していないため、日本赤十字看護大学の理念・実習目的を反映させた特色のある実習指導者研修を展開する必要があると考えた。そこで、本学と赤十字系の実習施設が協働し、本学の理念・実習目的を反映した実習指導者養成のための「実習指導者研修プログラム」を構築することにした。本研究は、「実習指導者研修プログラム」を更に洗練させるため、プログラムの効果を明らかにすることを目的とした。Ⅱ.研究目的大学と実習施設が協働企画運営する「実習指導者研修プログラム」の受講者が、どのような学びを得られたのかその効果を明らかにし、プログラムの評価を行うことを目的とする。Ⅲ.研究の意義実習指導者研修プログラムを構築することで、赤十字の理念や学生の特性を反映した実習指導を行う手がかりを実習指導者に提供することができる。また、教員や他施設での指導者が研修プログラムの講義や演習でのディスカッションを通して交流を深めることで、ピアサポートの効果も期待できる。そして、この研修を受講した指導者に実習指導を受ける学生の実習での学びを深めることに寄与し、さらには看護の質の向上に寄与できると考える。また、本研究で得られた成果を、赤十字関連の教育機関・実習施設に還元することは、そこでの看護学実習指導の質を向上させることに寄与し、赤十字から看護教育全体に新たな知見を発信することにつながると考える。- 155 -