ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

が協働し、現代の学生の特性を踏まえた実習指導ができるように、「実習指導者研修プログラム」を構築、実施し、研究的に評価を加えることとした。本研究の目的は、大学と実習施設が協働企画運営する実習指導者研修プログラに参加した者の体験を明らかにすることとした。本研究で得られた成果は、看護学実習指導の質を向上させることに寄与し、看護教育全体に新たな知見を発信する手がかりとなると考える。b.研究方法(1)研究デザイン質的記述的研究(2)参加者本研修プログラムの受講者で、研究参加への同意が得られた者28名。(3)データ収集方法研修プログラム(平成25年6月~平成26年1月)終了後に、4~5名を1グループとして、グループインタビューを実施した。インタビュー時間は、平均67分であった。インタビュー内容は、許可を得て録音した。(4)分析方法逐語録を作成し、「参加者の体験」が語られている部分に注目しながら、テーマを抽出し解釈を加えた。研究メンバーでディスカッションを行い解釈の妥当性を高めた。(5)倫理的配慮研究実施にあたり、日本赤十字看護大学研究倫理審査委員会の承認を得た。必要時、研修受講者の所属する施設の倫理審査委員会の承認も得た。c.結果(1)自分自身を振り返る多くの参加者から、研修での学びが自分自身の指導の傾向を振り返ることにつながったことが語られた。研修で「学生自身の気づきを大事にすること」を学び、自分の指導を振り返り「教え込みすぎるところがあったのではないか」と感じたAさんは、この研修が「自分の指導の傾向を見直すきかっけになった」と語った。(2)方向性がわかり、気負いがなくなる「学生は4年間で講義や演習や実習を通して段階を踏んで学んでいること」や「1年生から4年生までの成長に合わせて目標が設定されていること」を学び、「この実習がゴールではない」ことがわかり、この実習でなんとかしなくてはいけないという気負いがなくなる様子が語られた。これにより、実習指導に余裕が持てて、「学生が何を考えているのか、どうしてそういう考えになったのかとかを聞きたいと思えるようになった」ことが語られた。学生に質問してもわからないときには、質問し続けるのではなく「教えること」や「実践を一緒に経験する」という指導を学び、「その方法があった」と気づき、実習に生かされていた。- 164 -