ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

護経験者,ヘルパー資格者に交じって,自己の健康管理に役立てたい,地域のために何か活動を行いたいと思っている方も含まれていた。具体的には,近隣や近親者の認知症や肺炎罹患者の介護を目の当たりにし,自らも支援したいが方法が分からないと語る参加者もおり,要支援・介護者,介護家族を支援したいとの意欲が語られた。参加動機をまとめると,「介護の知識と技術を学びたい」「自分の健康管理,介護予防」「自己の介護体験の確認」「地域貢献」「他者との交流」に分けられた。講座の内容は,1日目は「年を重ねることへの理解」をテーマに1高齢に伴うからだと心の変化を知る2認知症を早期に発見するために3見守りとコミュニケーションの工夫,の3つパンフレットを使用し講義を行った。加齢による変化は個人差があること,認知症の早期発見と早期対応のために見守り,そして「つなぐ」ことの重要性を紹介し,話す技術と聴く技術を紹介したのちに,2人1組となって実技演習を行った。2日目は「おいしく安全に食べる」「身体を動かすことのお手伝い」の2本柱で講座を組み立て実施した。「いい食支援は人間尊重」,つまり,自分らしく食べられることは人としての尊重と権利が守られることであることを窒息しやすい人の特徴や症状,食品を紹介し,お茶やパン,菓子を使って口腔機能と嚥下機能の確認,食事介助の演習を行った。また,口腔ケアも誤嚥性肺炎予防であり,義歯の手入れや適切な含嗽の方法を紹介した。「身体動かす事へのお手伝い」は,資料を配布し,ボディメカニクス,移動時の重心の移動を確認しながら座位から立位への介助,歩行の介助,そして,リハビリテーションを兼ねた床上での体位変換をデモンストレーションを行いながら紹介した。また,オムツを変える際のヒップアップの支援,更衣の介助についても実演を行った。参加者の反応目的意識を持って参加された方が多く,どのセッションも積極的に参加され,質問を受けた。講座が終了しても個人的に介護の悩みや方法についての相談を受けた。わかちあいの時間ではシートに記入しながら,学び,今後のできそうな介護支援について自由意志で語ってもらった。介護される側の立場や思いになって介護をしたい,自己の聴くスキルについて考える機会になったことや挨拶の重要性や近所との付き合い方といって日々の生活の中で実践できること,さらには自己の健康の重要性まで,振り返ることができていた。また,「寝たきり」だと思っていたが自分で動こうとしていることが,今回の学びで分かり,嬉しく思い介護している方へ目を向けることや今後の介護への意欲につながったと感想が聞かれた。- 20 -