ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

研究報告書1.研究テーマ東日本大震災被災地における看護職のストレスの実相とストレスマネジメントの意味2.研究組織(所属・職名・氏名)研究代表者:日本赤十字広島看護大学・山本加奈子・講師共同研究者:石巻赤十字病院・田中雄大・臨床心理士神戸市看護大学・平尾明美・講師3.要旨本研究は東日本大震災被災地における看護職の震災に関連したストレスの実相を把握しリラクセーションケアの効果を明らかにすることを目的とした。看護職20名にアロママッサージを行いPOMS短縮版の評価と語りのデータを質的帰納的に分析した。POMS短縮版では緊張-不安,抑うつ-落込み,怒り-敵意,疲労,混乱の改善に有意差を認めた。語りからはストレスとして【周囲に気を使い,本音が語れない状況】【心身の緊張・苦痛がコントロールできない】【震災による精神・経済面の負担】【震災を機に変化した生活と,離れられない被災体験】【復興の過程での理想と現実の乖離による葛藤】など7カテゴリ,効果として,【癒しの効果を実感し辛い気持ちが吐露できる】【心身の苦痛が緩和され前向きになる】【自分の身体に注意を向けるきっかけ】【意欲を向上させるきっかけ】が把握された。リラクセーションケアは,震災時にも効果があることがわかった。4.キーワード災害看護,ストレスマネジメント,リラクセーション,こころのケア,アロマセラピー5.研究報告1)研究の背景・目的近年の医療技術の高度化・専門化,患者の重症化・高齢化,在院日数の短縮など,保健医療ニーズも多様化しており,看護の役割と責任は増大するとともに,看護師はより高い能力が求められている。看護師は他の職種に比して緊張度の高い業務が長時間持続するという特徴がある(川本,2006)。看護師のストレスの高さ(福岡ら,2008,2007;野末,2004;石松ら,2001;宗像ら,1998)は数多く報告され,このストレスの蓄積がバーンアウトを引き起こし,離職の要因になっているとも言われている(川本,2006)。- 28 -