ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

者の対応への戸惑い》,[手を使ったケアがしたいけど流されている]など,日々の業務に流され,やりたいことができない後ろめたさも語られた。2【周囲に気を使い,本音が語れない状況】【周囲に気を使い,本音が語れない状況】は,《震災の話題を避ける》《周囲に気を遣い辛さを表現できない》《吐き出せない思いがある》《被災を肯定的に捉える》《気持ちを抑制し折り合いをつける》の5つのサブカテゴリが含まれていた。被災状況や復興の進度に差異があるため,震災の話題を避けたり,周囲を気遣い関わり,辛さや本心が表出できない現状がある。「家族が無事だっただけでもよい」「家も直せば住める」と大きな被害を受けた方と比較する事で,自身の被災を肯定的に受け止め,[受け入れられないことがたくさんある]中で,[まともに生活していると辛い]ため,《気持ちを抑制し折り合いをつける》ことで,辛さから逃避している現状も把握された。3【震災により家庭の問題が悪化】【震災により家庭の問題が悪化】は,《もともとある家庭の問題》《震災により家庭の問題が悪化》の2つのサブカテゴリが含まれていた。震災前からそれぞれの家庭にある家族の健康上の問題がある上で,震災の影響により,家族がうつなど,精神的な負荷を受けることでの疾患に罹患し,要介護状態になっていた。また,もともとの要介護であった上に介護度があがったケースもあり,震災によって心身の状態が悪化した家族の介護のストレスが把握された。4【心身の緊張・苦痛がコントロールできない】【心身の緊張・苦痛がコントロールできない】は,《身体的苦痛症状》《精神的苦痛症状》《力がぬけない》《セルフコントロールできない》の4つのサブカテゴリが含まれていた。肩凝り,頭痛,足のだるさなどの《身体的苦痛症状》,[心が重く体がついていかない][絶望感による体へのダメージ]など,身体的苦痛症状も関連した《精神的苦痛症状》を訴えていた。また,常に緊張を強いられる職業である上に震災に影響もあり,[不安や緊張で力が抜けない][力の抜き方がわからない]状態であった。それらに対しても,[看護師は真面目で不調に気づかない][支援者の立場であるので,自分のことは後回し][疲れ度合がわからずどこまでもやってしまう]など,自分自身のケアが疎かになっている《セルフコントロールできない》状況が把握された。5【震災による精神・経済面の負担】【震災による精神・経済面の負担】は,《震災による精神面への影響》《震災による経済面への影響》の2つのサブカテゴリが含まれていた。[余震や地鳴りで眠れなくなり眠剤を飲んでいる][うつになっているスタッフも多い]など,《震災による精神面への影響》が把握された。また,震災の家屋や車などハ- 35 -