ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

看護学生の社会的スキルについては、学生生活・対人関係との関連(藤野ら2005)や、自己効力感・生活体験との関連(野崎ら2002)が報告されている。また、特に臨床実習との関連については、多く調査されており(樫根ら2001、鈴木ら2001、武田ら2013)、学生自身が実習体験をどう捉えているかが社会的スキルに影響することが明らかになっている。本学では、赤十字という特徴から、救護訓練やキッズクロスプロジェクト、東日本大震災の復興支援といった赤十字の活動にボランティアとして参加する学生が少なくない。また、「赤十字とボランティア活動」という選択科目を毎年数名の学生が履修し、自らボランティア活動を企画し実践している。他大学と比較しても、本学学生はボランティアに参加する機会が多くあり、参加する学生も多いと思われる。このようなボランティア活動に参加した学生が、学生生活や臨地実習の中で対人関係が円滑になり成長を感じさせることがある。ボランティア活動と看護学生の成長過程について調査した稲垣ら(2002)も、「学業成績としての評価を伴う臨地実習とは異なり、学生の自発性や無償性、積極性をそこなわないような関わり方でボランティア活動を推奨することによって、学生自ら学習レディネスを高め、人間関係能力を向上させることが可能になると考えられる」と述べているように、ボランティア活動が対人関係づくりに影響を与えていることが予測される。看護学生のボランティア体験については、いくつかの報告がある(柿原ら2003、末永ら2005、鈴木ら2009、奥山ら2010)が、対人関係づくりに必要な社会的スキルとの関連を調査した報告はみあたらない。そこで、本学学生のボランティア活動と社会的スキルとの関連について、他大学の学生との比較により明らかにしたいと考えた。ボランティア活動と社会的スキルの関連が明らかになることによって、看護職を目指して入学した学生の中で、対人関係に悩みや不安をもつ学生に対して、ボランティア活動に参加できる機会や環境を整え、サポート体制を作り、ボランティア体験を積極的に推奨していくことができる。学生は体験するボランティア活動によって、対人関係づくりに必要な社会的スキルが向上し、学生生活や臨地実習に生かすことができる。そして看護実践能力の向上に繋がっていくことが期待される。また、赤十字の看護基礎教育のありかたについての一考察ともなる。2)研究目的看護学生と看護系以外の大学生のボランティア活動が、対人関係づくりに必要な社会的スキルに関連があるかを明らかにする。3)研究方法(1)対象本学学生(1年~4年生)426名、道内の一般大学の学生400名- 2 -