ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

のサブカテゴリーに分類された(表7)。ボランティアは、日々の活動報告をボランティア日誌に書いていた。看護部長がその日誌を読み、感想を書いて返していた。ボランティアにとっては、[ボランティア日誌を介して看護部長と交流を持つ]ことができ、看護部長にとっては病院関係者が気づかない問題や改善点をいち早く知ることができていた。ボランティア日誌は【活動をスムーズにするツール】として活用されていた。そして病院は、[関係職員に要望を伝達する]ことや、[関係職員がすぐに対応する]ことを心がけていた。これによって病院の問題が解決され、【病院全体で協力する雰囲気のよさ】がボランティアの気持ちを盛り上げていき、更なる活動の意欲へと繋がっていた。しかしながら、ボランティアに従事する人員の限りがあり、問題も多く存在していた。年々、[長時間立ちっぱなしの姿勢が身体に堪える]ようになり、特に高齢のボランティアにとっては、[活動していく上で体調管理が問題になる]といった【加齢に伴う身体への負担】が大きくのしかかっていた。実際、[ボランティアの定数を確保したい]、[人員を確保するのが難しい]といった【活動が存続できなくなる可能性】を危機感として抱いていた。そのため病院は、[積極的にボランティアを募る]ことや[自治会と連携する]ことによって【ボランティア募集の情報発信】を担うことを求めていた。また、看護師に対しては、遠慮なく用事を頼んでほしいという気持ちから[看護師と協力した活動を望む]声は多く、【看護師と連携した活動】を期待していた。(4)ボランティア活動の今後の展望ボランティア活動の今後の展望は、6個のカテゴリーと12個のサブカテゴリーに分類された(表7)。柏原赤十字病院に登録しているボランティアの数は30名である。経験年数は平均5年というボランティアが多いが、年齢は50~70歳代の開きがある。経験を積み重ねることで培ったスキルを発揮することができる一方、登録しているボランティアの年齢も高齢化しており、活動に従事することが困難になっている。このような問題を背景に、ボランティア活動を今後どのようにしていきたいのかについて展望が得られた。1柏原赤十字病院に関する情報を発信する県立柏原病院との存続に絡む統合問題が浮上して以来、柏原赤十字病院の役割が明確に分担されてきた(兵庫県保健医療計画/平成25年度版)。当初から統合問題に絡む情報については、公的機関から十分な情報を市民に発信されておらず、地域で生活する住民の不安はつきなかった。実際に、[情報が見え隠れするのでもどかしい][情報に振り回されて不安が増す]といった声があった。病院を受診する患者に直接関わってきたボランティアだからこそ、【統合問題に関する情報に翻弄される住民】の姿を目にし、自分たちができることを模索していた。結果、[病院の考えを情報誌に載せる]ことを病院が行い、ボランティアは[病院の利用を促す]という【こまめな情報発信】を分担して行うこ- 52 -