ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

一方、厚生労働省「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業事業報告書(平成24年3月)」によると、介護ロボットを受入れる側になる施設の多くは、介護ロボットは未知の存在であり、どの様なものなのか、また、どの様に作業手順に組み込めるのか、どこまで負荷が軽減されるのか、施設利用者への安全性の保証、など具体的にイメージできず、導入に向けては消極的な姿勢が覗える。ゆえに介護ロボットの導入について、モニター協力する施設が国内では見つけ難い状況となっている。このような厳しい状況の中、日本赤十字社福岡県支部には、特別養護老人ホーム3施設と、老年病センターとしての機能を本務とする今津病院、高齢化率25.3%(嘉麻市HP)にある地域医療施設としての嘉麻赤十字病院があり、日本赤十字九州国際看護大学の基幹実習施設である福岡赤十字病院と合わせ、本学の将来の高齢社会にむけての看護学の教育と実践に協力頂いている。本研究では、このような日本赤十字社のスケールメリットを基に、高齢者福祉施設における介護ロボットの利用効果を明らかにするための第一段階の取り組みとして、赤十字関連の高齢者福祉施設にモニター協力を得て、介護ロボットの導入について、3ヶ月間モニタリングを実施し、質的に評価することを目的とする。研究の意義として介護ロボットの導入において、利用者への介護予防効果ならびに介護職者への介護負担軽減などが明らかになれば、介護ロボットによるサービスレベルの向上とともに、マンパワーに頼らない課題解決が期待できる。介護ロボットの施設での活用が進めば、施設スタッフからの意見が反映され、製品の質の向上に繋がるだけではなく、将来、必須となるであろう在宅への応用も可能になると考える。用語の定義として、本文における介護ロボットとは、義肢・装具、リハビリ支援、移動・移乗支援、日常生活支援(排泄、食事、入浴、物体操作など)、コミュニケーション(メンタルケアや見守りに活用)等の機能を有するもの2)研究方法(1)対象:高齢者福祉施設での勤務年数が5年以上あり、毎日、介護ロボットの試用および観察を行った介護職者4名(2)期間:平成25年8月~平成26年3月(3)場所:赤十字関連高齢者福祉施設3ヶ所(4)データ収集方法1介護ロボットの選定条件と選定方法ロボット、特に「介護ロボット」という表現に関しては、人によって様々な解釈がなされているのが実情である。目的の作業・操作を人に代わって行う機械や装置などがロボットであるが、定義は錯綜している。本研究にて取り組むべき介護ロボットの範囲に関しては、具体的に大きく3領域(介護支援型ロボット領域、自立支援型領域、コミュニケーション・セキュリティ型領域)を想定されている2)。- 63 -