ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

表3.介護ロボットの介護者効果時期カテゴリーサブカテゴリーサブカテゴリーの説明導入後(前期導入から1ヶ月)利用者の反応に対する気遣いや不安使い方への戸惑いと抵抗感活用効果の実感と期待利用者の反応に気遣う汚すことや壊すことへの不安使い方への戸惑い使うことへの抵抗感新しい期待を実感職員の癒しを実感動物嫌いの人は、遠くに見えるだけでも大声を挙げて抵抗を示す言動が聞かれたので、周囲の利用者の反応に気を使った。高価なものであると、壊すことや汚すことへの不安があり、積極的な活用を躊躇するスタッフが多かった。ロボットのセンサーやその周辺の部分を触らせないように注意していた。どのように使えば良いのかが分からないので積極的には使用することを控えていた。普段使わない者を使うことへの抵抗感や高価なものであることから、スタッフが積極的に使わない様子が見られた。スタッフの中で、ロボットを使う係を決めるようにした。テーブルの上において、利用者の反応を観察し、観察を通して新しい対応への期待を感じられた。介護ロボットの動きを見て、男の職員でも癒されるものだと実感した。活用効果の実感ふわふわしたようなアザラシだったため、かわいいという印象であること、触ってくびを傾けると反応があることで、利用者への活用効果はあると感じた。導入後(中期導入後1ヶ月から2ヶ月)感染症の拡大や器物破損への恐怖職員の癒しや介護負担の軽減職員間、利用者間、職員と利用者との新たなコミュニケーションツールその場の状況に応じた適切な対応感染症の拡大への不安器物の落下や破損への恐怖心介護負担の軽減職員の癒しスタッフ間同士のコミュニケーションが増える新たなコミュニケーションツール職員と利用者との円滑なコミュニケーション緊急時、充電しながらの対応症状の悪化を予防する対応ロボットを介してとは言えないが、感染症が広がった。感染症の拡大が不安になって、積極的に使えなくなった。介護ロボットを落とした後、破損することを恐れて、徐々に(ロボットを)活用しなくなっていた。夜間に不穏の強い人への見守る時間が減り、介護負担の軽減に繋がった。介護ロボットの反応や表情、声が自分の子育てしていた頃や飼っていた動物を思い出させ、癒されるような状況が続いた。利用者の介護ロボットに対する反応などをスタッフ間どうしで伝えあうといったコミュニケーションが増えた。利用者間、職員と利用者とのコミュニケーションの新たなツールになったことを感じた。利用者間のコミュニケーションが円滑になっていたり、話題が増えたりすることで、職員の安心に繋がった。充電が切れてロボットの反応がなくなると、利用者が反応を示さなくなる。その時は、充電しながら対応する。介護ロボットの鳴き声が赤ちゃんの声と間違えて、世話をしようとしていたので、夜の使用は不穏症状を悪化させる要因に繋がると予測したため、昼間に使用するようにした。利用者の反応に伴う対応ロボットを独り占めしやすい利用者には、時間を設定して、対応した。介護ロボットへの依存行動ロボットへの依存熟考しない行動化長くなってくると、スタッフの中には、ロボットに反応が良い利用者については、スタッフからコミュニケーションとることなく、先にロボットを渡しておくような対応が見られた。不穏があれば、ロボットを渡すといった、スタッフがよく考えないで、行動している様子が見られた。導入後(終了期導入後3ヶ月)見守り時間軽減など効果の実感介護ロボット効果の実感家族への理解と良好な関係性新たな課題の発見癒し効果の実感家族の反応や思いの理解家族との良好な関係性活用方法の模索介護ロボットを受け入れる要因の探究情報の重要性介護の見守る時間が軽減されることや、コミュニケーションのツールになることは実感できた。コミュニケーションツールにもなり、利用者への癒し効果にもなり、時間の分断をなくすものだと感じた。介護ロボットを長く使うことで、職員が家族の反応や思いをよく訊くことができた利用者の笑顔が続くことで、家族との関係性も深められた。長くなると興味や関心を示す人は少なくなる。しかし、上手く活用出来る方法を模索できたのではないか。介護ロボットの最初の受け入れは、自分が育ってきた文化や価値観が大きく影響しているように感じた。動物を飼っていたかどうかなどの生活歴を聴くことの情報の重要性を改めて感じた。施設で活用する困難さ今の状態(機能や値段)では、長続きする価値が見出せないため、施設で使用するのは難しい。- 70 -