ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

ページ
78/178

このページは 平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書 の電子ブックに掲載されている78ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

5.研究報告<Ⅰ.日本赤十字社の心理社会的支援の内容分析>1)問題の背景・目的東日本大震災に際して、日本赤十字社は、これまでにない大規模な心理社会的支援を実施した。2012年6月には、活動の経験を踏まえ、その総括である「課題解決に向けての実行計画」に沿って、「こころのケア研修マニュアル」が改定されている。しかし、活動のどのような問題があり、どのような根拠から修正する必要があったのかなどは、日赤以外にも精神科医チームや各種団体による活動があったことが言及されているだけで、十分に明確にされていない。ここでは、昨年度に行ったデータ収集を踏まえて、その活動内容を、日本赤十字社の各支部・施設および日本赤十字学園の各看護大学が実施した「こころのケア」に関する実践資料に基づいて分析する。日本赤十字社「こころのケア」活動の実践の中で、直面した課題や工夫などをまとめることで、「こころのケア」に関する基礎資料を作成し、今後の赤十字社の医療救援活動の中での、心理社会的支援の活動の位置づけに貢献することを目的とする。2)研究方法1研究期間平成24年4月1日~平成25年3月31日までであった。2調査データこころのケア要員を派遣したとされる全機関(各県支部、医療センター、病院、本社)に対して郵送法を用いて、各施設のこころのケア活動の基礎情報を郵送してもらうように依頼した。80の赤十字病院、47部(本社を含む)、そして7つの大学および専門学校の合計134施設に依頼した。その結果、36施設(病院23、支部9、大学・専門学校2、その他の施設2)から回答があった。依頼施設総数に対する回収した施設数の割合は26.8%であった。一方、施設のなかには、複数の資料が含まれている場合もあり、最終的な資料数は67件であった。以下、これらの資料について、資料の文献的性質(論文、広報、報告書、研修会資料、聞き取り)、報告者職名、活動者職名、活動場所(対象地区)、活動期間、チーム型か帯同型か、チーム構成、避難所の名称、活動対象者の状況、活動の目標、活動内容、活動への評価・課題、援助者への活動、今後の展望について整理した。3)研究結果1資料の文献的性質収集した資料の中で最も多かったのは広報であり、支部広報誌(座談会など含む)や病院広報誌、赤十字新聞などであった(7本)。学術資料として系統的リビューの分析対象となるような、正式の報告書や学術文献は極めて少なかった。2報告者職名と活動者職名- 76 -