ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

チーム型が多かったため、報告者職名も活動者職名も、そのほとんどが、看護師、看護師長、看護係長、看護副部長、看護部長、支部看護師であった。3活動場所と対象地区宮城県では石巻避難所が最も多く(14)、次いで石巻赤十字病院(11)であった。岩手県では釜石市が最も多く(26)、次いで宮古市(地区)であった(6)。福島県では福島市(2)、会津市(1)、相馬市(1)であった。4活動期間活動期間は概ね1日から7日の範囲であり、長い場合には2ヶ月という資料も例外的にみられた。また、活動期間は震災直後の3月から8月までに集中していた。また、活動がどこかの月に偏向して集中していることもなかった。5チーム構成チーム型が多かったことから、メンバー構成は、看護師からなるグループ、あるいは、医師を中心にした看護師、薬剤師、理学療法士などのグループが大部分であった。6避難所小中学校、公民館、体育館、病院、福祉施設、各避難所であった。7活動対象者の状況心理社会的支援の活動対象者としては、被災者集団と救援者があげられる。そこで、活動対象者に関する記述内容を、被災者に関するものと、救援者に関するものに分け、さらに整理したところ、以下のような内容に分類された。被災者の状況の記述では、(1)殺伐した人間関係、(2)プライバシーの喪失(「避難所の段ボールの仕切り」)、(3)食事の偏向(「パン・おにぎり.カップラーメン、時々味噌汁だけで2カ月を経過」)、(4)アルコール問題(「行政への不満、避難所での共同生活のストレス、今後の不安(家・お金)でアルコール問題が徐々に増加」)、(5)仮設住宅による一人暮らし(「仮設住宅に入ることでひとり暮らしになりがちである。」)、(6)家族喪失(「家族が行方不明」)、(7)精神疾患(「薬がないため症状のコントロールできない」)、(8)ストレスと憂うつ(イライラや緊張しやすい、眠りが浅い、疲れやすい、食欲がない、血圧が高い、頭痛や動悸がする、本来の生活パタンに戻らない)であった。救援者の状況の記述としては、(1)遺体安置場担当者のストレス、(2)必要な情報や連携不足(「必要な情報を関連機関や被災者に帰すことができず、他団体のこころのケアチームとの連携が不十分であった。」)、(3)家族喪失(スタッフの状況:院内には家族を震災で亡くした)、さらに、救援者の被災者への対応に関する状況の記述として、(4)被災者のこころの状況差への対応(「自立に向けて積極的に動いている被災者もいれば、不安や悲しみが強く依存的な被災者もおり」)、(5)薬を必要としている人たちへの対応、があげられた。8活動の目標被災者への活動としては、(1)避難所の訪問や巡回と声かけ(可能ならアセスメント)、(2)自立の支援とコミュニティの構築、(3)PTSDにならないような早期発見、(4)ストレス軽減の支援、(5)仮説住宅へ訪問と世帯票などの配布・回収、(6)健康状態の確認、(7)不安の傾聴、(9)地元保健師へ- 77 -