ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

その個人の社会的・職業的機能の低下が生じそうで素早く元に戻す時には、早期の診断と治療が不可欠である。長期にわたる心理的回復には、災害の範囲と性質によって、数カ月から数年を要する可能性がある。認知行動療法は、PTSDと同様、ASDにも効果的であることが明らかになっている。心理的デブリーフィングは、教育的ツールとして用いられた場合には、初めて体験した人の感情や対処戦略の共有を助けることがある。しかし、デブリーフィングの効果についてのしっかりした研究は全くない。災害後の概観過程の評価が、メンタルヘルスサービスが、個人や集団にどの程度効果的かを判断する鍵となり、メンタルヘルスサービスのシステムとしての強みや弱み、また反応の差を理解する鍵でもある。導入災害のメンタルヘルス計画は、他の地域災害計画と同様必要なものである。ツインタワー(WTC)でも極めて素早い対応が行われた。この中では、その使命を果たすために救援者がその基本的に必要を満たすこともストレス対応として必要なことになった。9/11では、ケアを必要とする身体的傷害がほとんどなかったという災害の恐ろしい特徴から、基本的にメンタルヘルス災害となった。1.メンタルヘルス対応チームメンタルヘルス・コーディネーターの任命がチームを結成するために必要な第一歩となる。コーディネータの仕事には、諸機関の相談に乗ったり、メンタルヘルス活動を支える管理チーム・メンバーを任命したりすることも含まれる。精神看護師と精神科医は、頭部傷害、中毒物質、以前からの疾病、酸素不足、低体温、高体温症などの器質的な精神的障害についても判断できるので、医療チームに特に適している。看護助手やボランティアも、災害への対応や回復に非常に重要な役割を果たすことが可能であり、果たしている。動員解除後には、メンタルヘルス・コーディネーターは、メンタルヘルスの活動の報告を作成し、また、全体の活動と合わせた活動を取りまとめる。表1災害メンタルヘルス対応の原則1メンタルヘルス介入は、災害における生存者を対象としなければならない。援助が可能になっても、大部分の被害者はメンタルヘルスの援助を求めておらず、多くの被害者は援助を受けたがらない。2生存者と死別経験者は、興味本位に見える活動に特に敏感である。ボランティアは、不注意な再トラウマ経験を避けるためのサポートと訓練を受ける必要がある。3子どもたちを家族から切り離してはいけない。家族のきずなを保証することは全ての子どもたちを安心させる重要な条件である。4死体や四肢切断などへの暴露を制限する。このような出来事は精神医学的症状を起こすこと- 92 -